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2010/04/16

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  • 『水道、再び公営化! 欧州・水の闘いから日本が学ぶこと』岸本聡子 集英社新書

    水道事業の民営化問題にとどまらず、グローバル企業に抗する自治体の取り組みなどが紹介されていて、とても興味深い。 民営化によって水道料金が高騰したり、サービスや品質が低下したり、事業や財務状況の監督が困難になったりする。イングランドとウェールズの水道会社10社は、必要のない借り入れを繰り返して借入金を膨らませ、税金の支払いを少なくし、株主への配当を確保し、必要なインフラ整備を行わない口実としていた…

  • 『人新世の「資本論」』斎藤幸平 集英社新書

    今頃になって読んだ。そして、もっと早く読めばよかったと後悔した。第一章では、労働力や資源、エネルギーの不等価交換や掠奪、環境負荷の外部および将来への転嫁など、自分が前職で考えていたことを見事に整理してまとめてくれていた。 先進国の豊かな生活の裏側では、グローバル化によって被害を受けるグローバル・サウスの悲劇が繰り返されてきた。これらの大規模な事故は、起こる危険性が指摘されてきたにもかかわらず、…

  • JATAN時代の活動を振り返ることができた日

    京大の学生が、私のJATAN時代の活動について聞きたいと連絡して、遠路はるばる来てくれました。 私が熱帯林行動ネットワーク(JATAN)のスタッフに就任したのは1999年だが、それ以前もボランティアとして森林関係の活動をしていました。1993年頃に、神奈川県内の自治体に対して熱帯木材の不使用を働きかける団体に参加。その後、マレーシアのサラワク州の問題について取り組む団体に関わり、熱帯木材が使われている家具や住宅に…

  • 『「答弁拒否」で民主主義を破壊する安倍政権。7年半で計6532回』をグラフにして視覚化してみた

    ハーバー・ビジネス・オンラインの「答弁拒否」で民主主義を破壊する安倍政権。7年半で計6532回の調査がとても充実している。 こういうものは視覚化して訴えた方がいいと思う。調査の労力に応えるためにも、勝手ながら年別、人物別、話題別の答弁拒否回数をグラフにしてみた。

  • 里地里山文化論〈上〉〈下〉養父志乃夫

    上巻では、里地里山が日本人の生活とともにどのように発展してきたかを辿っている。下巻では、昭和20〜30年代の暮らしについての全国18地区の調査を報告している。 縄文中期の温暖期には焼畑耕作が始まり、これによって生じた二次植生の落葉広葉樹が森林面積の12%に達していた。カタクリなどの春植物は、落葉広葉樹の若葉が日光を遮るまでの1か月の間に繁茂するもので、人間によって利用、維持されてきた雑木林で生き延びてき…

  • JATAN時代の活動が掲載された記事

    身を粉にして働いたために身体を壊し、トラウマにまでなってしまった前職時代の資料が入った段ボール箱を久しぶりに開けたら、こんなものが出てきた。活動の成果と懐かしい写真。

  • 『五感経営 産廃会社の娘、逆転を語る』石坂典子

    この本を見つけたのは偶然だった。副題の「産廃会社の娘」という組み合わせに目を引き、「地域に愛されるリサイクル会社に生まれ変わった」の紹介文で関心を持ち、本を手に取って、20年ほど前に所沢で起きたダイオキシン問題で矢面に立たされた会社と知って鳥肌が立った。 著者は、ネイルサロンの開業資金を貯めるまでの腰掛のつもりで、父親が経営する石坂産業に入社した。最初は事務員だったが、仕事に熱意を抱いた働きぶり…

  • 『「定常経済」は可能だ!』ハーマン・デイリー 岩波ブックレット

    対談形式で60ページ余りのブックレットだが、聞き手が細かい点まで丁寧に質問しているため、デイリーが考える経済成長の問題点や定常経済の姿がわかりやすく説明されている。 私たちの世界は、「空いている世界」から「いっぱいの世界」に変わった。「空いている世界」の制約要因は人工資本だったが、「いっぱいの世界」の制約要因は残っている自然資本になる。漁業では、かつての制約要因は漁船だったが、今では海の中の魚の…

  • ヒトのバイオマス量は野生哺乳動物の合計よりも大きい

    日経サイエンス2018年11月号に、生物グループ別のバイオマス量を比較したグラフィック記事があった。 …

  • 『熱帯雨林コネクション』ルーカス・シュトラウマン

    著者は、ブルーノ・マンサー基金のエグゼクティブ・ディレクター。タイブとその一族が、サラワク州内で犯罪に手を染めているだけでなく、その資産を海外に送るためにマネーロンダリングなどの罪を犯していると主張する。 サラワク川周辺地域は、かつてブルネイのスルタンの領地だった。イギリス人のジェームズ・ブルックは1839年、ボルネオにイギリス貿易ネットワークの拠点を築くためにクチンに上陸し、ブルネイ王に歯向かう…

  • 西オーストラリア州で伐採されるカリの木の約85%が紙生産のために日本に輸出されている

    かつて、この問題に取り組んでいたので、見過ごすことができません。たいていの人は、西オーストラリア州なんて砂漠ばかりでしょ、と思うでしょうが、そこから国土の3分の2が森林の日本に輸出されているのです。私たちの豊かな生活の裏側です。 (以下、抄訳) これから木材チップになるカリの木(ユーカリの一種)です。 炭素年代測定をしたところ、樹齢は500〜600年でした。 毎年、西オーストラリア州の森林から伐採されて…

  • 『土と文明』ヴァーノン・ギル・カーター, トム・デール

    原著初版は1955年、その日本語訳は75年に発行されたものの復刻版。そんな時代にまとめ上げたことに驚く内容。文明社会は一次生産物の余剰によって成り立ち、それは天然資源、特に耕地、牧草地、森林の生産力によって概ね決まるとの主張は説得力がある。 一地方における文明は、30〜70世代(800〜2000年)以上にわたって維持されることはなかった。例外は、ナイル川流域、メソポタミア、インダス川流域の3つ。文明衰退の原因は…

  • おクジラさま

    町田の武相荘で、太地町のイルカ追い込み猟をテーマにした「おクジラさま」の上映会があったので見に行ってきました。 この映画は、色々な人たちを取材して様々な意見を拾い上げ、見る人に考えさせるスタンス。中立的な立場で太地に住み込んで糸口を探ろうとするアメリカ人。「何か協力できることは無いか」と解決策を探ろうとするシー・シェパー…

  • 『イルカ漁は残酷か』伴野準一 平凡社新書

    イルカ漁は伊豆の川奈・富戸や壱岐でも行われていたこと、現在でも捕獲数は岩手の方が多いこと、太地町のイルカ追い込み漁はクジラ博物館のために1969年から始まったことなど、歴史が幅広くまとめられている。著者も反捕鯨活動に批判的であることを隠していないが、イルカの屠殺が残酷であることも認めている。どちらに偏ることもなく、まとめられている印象だった。 小型鯨類の捕獲頭数は岩手県が最も多いが、すべて船に並走…

  • 地球の一次生産量における人間の占有率

    70億人にも増えた人間は、世界の植物生産のどれくらいを占有しているのか? 人間の活動が始まる前に比べて、他の生物の取り分はどれくらい減っているのか? 日本語の文献ではよく分からなかったので、原著の論文にあたってみた。 よく引用される論文 Vitousek et al. "Human Appropriation of the Products of Photosynthes" (1986) では、海洋も対象にしているが、陸上のみの推定値を引用…

  • インドネシアの煙害によって10万人が死亡した可能性

    インドネシアでは毎年のように煙害が発生しているが、ハーバード大学とコロンビア大学の研究によると、2015年にはその有害物質によって10万人もの死者を出した可能性があるらしい。煙害の原因は、主にアブラヤシ開発などのための火入れ。無論、森林減少やCO2排出(火入れだけでドイツ全体の排出量に相当)も引き起こしている。現地政府も取り締まりを行っているが、調査官が捕らえられてしまったこともあるという。 パーム油…

  • 「名作の中の地球環境史」石弘之

    環境問題が描かれている文学作品を紹介して、その背景や関連する情報を解説している。環境問題は決して現代に始まったものではなく、歴史的に繰り返されているものが多いことがわかるし、その根本的な解決策を考えるのに役立つだろう。 「駱駝祥子」老舎 BC9〜8世紀、黄土高原の半分は森林に覆われていた。10世紀、山西省では大森林が残されていた。1世紀頃から乱伐の土壌浸食によって黄土高原は拡大した。秦に滅ぼされた楚…

  • 「世界の森林破壊を追う」石弘之 朝日選書

    各国の森林に関する歴史や現状がまとめられていて、世界の森林問題の概観をつかむことができる。 中国では、唐代になると山東半島と四川省以外の森林はおおかた消えた。四川省も森林でおおわれているのは、現在では13%のみ。長江流域全体で過去30年間に森林の85%が失われた。洞庭湖には、いくつもの堤防がつくられ、その内側が埋め立てられて新田が造成されたため、湖の面積は100年前の3分の1になってしまった。古代には始…

  • 「捕食者なき世界」ウィリアム・ソウルゼンバーグ

    生態系のトップに立つ捕食者がいなくなると、草食動物や下位の捕食者が増え過ぎて、生物の多様性が失われるという。このテーマに関する生態学の研究の歴史を丹念に追っているのも勉強になる。 チャールズ・エルトンは、1920年代にノルウェーの北側に位置するスピッツベルゲンで生態系の研究を行い、ニッチ、食物連鎖、ピラミッドの概念を編み出した。1960年にヘアストン、スミス、スロボトキンの3人(HSS)が、捕食者によって草…

  • 「日本はなぜ世界で一番クジラを殺すのか」星川淳 幻冬舎新書

    捕鯨反対のグリーンピースの立場(当時)にありながら、個人の立場から論争の決着を図ろうとする以下のような姿勢も示している。 ・捕鯨反対側の「1頭たりとも殺させない」という頑固さが、日本を調査捕鯨の拡大や過激な捕鯨ナショナリズムに追いやってきた。 ・南極海での調査捕鯨が沿岸捕鯨への希望を打ち砕いている。 ・調査捕鯨をやめ、IWCの原住民生存捕鯨と整合性のある形で、捕鯨の伝統が根付いた地域に限定して国内…

  • 「日本の自然保護」石川徹也 平凡社新書

    山、川、海、野生生物など、国内の多岐にわたる自然保護に関する歴史をコンパクトな形でまとめている。改めてたくさんの問題があったと思うし、まとめる作業も大変だっただろうと想像できる。 ・尾瀬ケ原を水没させて巨大ダムを建設する計画が浮上したのを機に、1949年に尾瀬保存期成同盟が発足し、51年には日本自然保護協会となった。その後、尾瀬への自動車道路を建設する計画が発表されたのを受けて、1971年に尾瀬の自然を…

  • 「さとやま」鷲谷 いづみ

    ジュニア新書なので、さらっと流すつもりで読み始めたが、とても充実した内容だった。水田が両生類やトンボ類に理想的な生息環境を与えていることや、洪水時の遊水池として機能することなど、日本人にとっての原風景ともいえる里山が自然環境との共生システムとして機能していたことがよく見えてくる。また、冬季も水田に水を張る「ふゆみずたんぼ」の取り組みによって水鳥が利用できるようになり、除草効果や施肥効果も得られる…

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