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夫1人、子供2人、猫2匹と暮らし、映画と料理とモードが趣味。長谷川たかこのパリの日常。

たかこ
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フランス
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世田谷区
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2009/01/14

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  • 100年ぶりのパリ五輪まであと100日

    というタイミングでフランスチームの開会式ユニフォームが発表された。中央の私服はパリオリンピック企画委員長のトニ・エスタンゲ。その左の私服はベルルッティ副社長のアントワーヌ・アルノーPhoto de ©KacperKasprzykそう、作ったのはLVMH傘下(やっぱり)のベルルッティ(高級メンズシューズブランドだけど服も作るの?)ブリジット・マクロンはよくルイ・ヴィトンの服を着ている 。デザインが好きなんだろうけど、彼女がパリ...

  • 日本は幽霊が出やすい国

    邦訳が再版になり、出版社に招待された作家のシドニー。行こうか、行くまいか、ギリギリまで迷い、遅れて空港に着くと、出発が3時間遅れていて飛行機に乗れてしまう。関空では編集者、溝口が待っていた。お話はシドニー(イザベル・ユペール)と溝口(伊原剛志)の、なんとも非現実的な雰囲気の6日間。第一、シドニーが招待された理由も現実味がない。訳書が再版になる度、著者を招待していたら日本の出版社は全部倒産してしまう...

  • 『まだ明日がある』

    1940年代後半、イタリアの田舎町。戦後の物資不足で人々の生活は貧しいけど、新しい民主主義への希望が感じられる。夫と3人の子供、寝たきりの義父と暮らすダリア。家事の合間に縫物や傘修理の内職に走り回り、ちょっと気に入らないことがあると暴力を振るう夫に耐えている。長女のマルセラはそんな母を見るのが、自分の将来を見るようで辛い。「どうして逃げ出さないの!」「逃げるって・・・どこへ行けって言うの?」そこへ突然、...

  • 蟻の大侵入

    茶色くて2-3㎜で、外で見れば可愛いと思えるけど、それが群れをなしてうちの中にいると可愛くない。台所の壁際をせかせかと歩き、流しまで上ってきている。食べ物は全部隠し、猫がいるから殺虫剤は危いよね、と思いつつモノプリに見に行ったら、アリ&ゴキブリ専用で「子供、動物にも安心」という殺虫剤を見つけた。しかしあまり効果なし。数時間で戻って来る。ゴキブリは小動物より頑丈だから、アリとゴキブリを一緒くたにしてい...

  • 教師になり手が少ない訳

    コレージュ3学級(14~15歳)のフランス語の授業でロンサールの詩を勉強している。若い先生、ジュリアンは「Astéisme」という手法を「誰かを褒める時、非難のように聞こえる表現を用いること」と説明し、生徒たちの“ピンと来ない”という表情を見て、例を挙げる。「例えば『レスリー、その新しいヘアスタイル、素敵だね』という代わりに『レスリー、何そのヘアスタイル!』…」先生が言い終わらないうちにクラスは騒然となった。「...

  • 「大統領になって以来、最悪の思い出はなんですか?」

    人工妊娠中絶の権利が憲法に加えられた式典で、TF1のジャーナリストに聞かれたマクロン大統領。「間違った情報やでっちあげのシナリオが横行し、信じる人がいること。それが当事者、家族を深く傷つけること」持って回った言い方に、「それはブリジット・マクロンが男性だという噂のことですか?」「もちろんそうです」マクロンは答え、「これ以上話したくない」と苦々しく。この噂を知らなかったわたしは(読者の方に教えていただ...

  • シェアハウス便り

    娘カップルが新百合ヶ丘のシェアハウスに入居して2か月。部屋は狭いけどバス&トイレつき、キッチンやサロンの共有スペースは広くてきれい。サロンで会ったイギリス人の女性は「何でも聞いて」と親切そうだった。数週間経って聞いてみたら、「住人がアホばっか」「!?」娘曰く、英、米、豪、仏・・・つまり白人たちが、アフリカ系の住人に差別的発言&態度をするのだと。「それも精神年齢を疑っちゃうような、あからさまな差別」と...

  • 日本が好き

    片頭痛防止対策のひとつで、月に1回オステオパシー (骨矯正術)に通っている。うなじの左側が凝って-先生曰く“ブロック”されていて-それが片頭痛の一因になっているらしい。カイロプラクティックのように骨をポキポキせず-しても1回くらいー両手を頭や首筋に当ててじっとしている。だけなのに、よく効いてここ数か月大きな片頭痛になっていない。こういうのをマジックハンドと呼ぶのでは。なにしろ先生はオペラ座ダンサーた...

  • 誰のソファ?

    猫たちがソファを気に入ったのはいいけど、気に入りすぎて彼らの場所になってしまった。メリディアンヌ(méridienne)と呼ばれる長椅子で雑誌を読むのが夢だったけど、いつ行っても先客がいる。近寄るとキッと睨まれるので、「はいはい、お邪魔はしません」元祖メリディアンヌ。人間が寝そべり、猫は床、が正しかった。Edouard Manet 1862何がそんなに気持ちいいかというと、生地でしょうね。前のズタズタソファは皮でひんやりし...

  • アラン・ドロンの遺産

    相続をめぐる家族紛争が週刊誌をにぎわしていて、渦中の人、アヌーシュカ・ドロンがラジオで話していた。アラン・ドロンにはアントニー(59歳。母親はナタリー・ドロン)、アヌーシュカとアラン=ファビアン(33歳と30歳。母親はロザリー・ファン ブレーメン)の3人の子供がいる。この3人が、ドロンの近年の“伴侶”ヒロミさんを追い出した。追い出すまでは団結していた3人が仲間割れ。ドロンが遺産を圧倒的に多くアヌーシュカに...

  • ソファのその後

    Habitat倒産の被害者になり、その後どうなったかというと、弁護士2人が債権者代理になったことがネットで告知され、その人物に領収書や必要事項を記入した用紙を送った。「ほとんど望みはない」と夫。会社が倒産した場合、法定財産管理人が任命され、その人がまず自分の報酬を確保する。次に未払いの税金、社員の給料、契約会社の請求書が払われ、お客は最後だから。だからと言って、見ただけで気が滅入るこのソファ・・・・最近は猫...

  • 長身、イケメン、3枚目

    最近ひんぱんに耳にする名前、ラファエル・クナール。金曜日のセザール賞授賞式では『最も期待される男優賞』『最優秀男優賞』、監督として『最優秀短編ドキュメンタリー賞』の3つにノミネートされ、『最も期待される・・・』を獲得した。射るような眼差し。笑うと優しくなる。©Capture d'écran canal+ 受賞のきっかけ映画『どう猛な犬』は、南仏の田舎町で仕事もしないでたむろしている若者たちのお話し。アントワーヌ(ラファエル...

  • ホラーより怖い

    アウシュヴィッツ強制収容所所長のルドルフ・ヘスは妻ヘートヴィヒ、5人の子供と大きい邸宅に暮らしている。使用人もゾロゾロいて、広い庭にはプールがあり花が咲き乱れる。みんなが飢えている戦時に、ここには食べ物も豊富にある。訪ねてきたヘートヴィヒの母親は「楽園のようね」と目を見張る。その通り、この邸宅はヘス夫妻の理想の楽園。しかし。壁の向こうはアウシュヴィッツなのだ。“囚人”たちの悲鳴、監視の怒鳴り声、殴る...

  • 猫2匹、砂箱3つ

    先着猫タマの砂箱は浴室の隅、後着猫リュリュのは2階の廊下に置いてあり、2匹ともルールを守って暮らしていた。と言っても、タマは不満があるとそれを表明するため、砂箱の外で用を足す。不満とは、-娘かわたしが不在。-砂箱が汚れている。最近、タマが頻繁に「砂箱の外」でするので、何が不満なのよ、と観察していたら、ある日、リュリュが我が物顔で、タマのトイレで用を足しているではないか。それをタマが洗面台から恐ろし...

  • 男性の永久不妊手術

    Vasectomie(精管を切除して閉鎖)がフランスで急速に増えていて、2010年比で15倍(!)になったとニュースで言っていた。この手術、フランスでは2001年から許可され、アメリカや韓国と違って非常に稀だったのが、2010年には1940人、2022年に3万人を超えたそうだ。希望者は「これ以上子供は欲しくない」という35歳以上の男性が多かったのが、最近では子供がいない18から25歳の若者が増えている。これに反対する女性も少なくない。...

  • 『無垢』な子供たち

    カンヌ映画祭でシナリオ賞を取ってから、ずっと観たかった是枝裕和の『怪物』。フランス版タイトルは『L’innocence/無垢』封切りになったのは12月末、日本は2023年6月公開だから半年遅れ。東京に発つ前日で観れず、戻ってからもグズグズしていたのは、観た人たちの感想がイマイチだったからだ。息子とその話をしたとき「自分の目で観なければわからないよ」と言われ、全くその通りだ、と観に行った。夫に先立たれた早織は、ひとり...

  • ヘルシンキのヴァンター空港

    に降りたのは午前4時。零下6度。雪。外を歩くわけじゃないからいいけれど、雪景色とガランとした空港は寒々しく、東京の青空がもう恋しい。チケットはJALのサイトで買ったのに、東京-ヘルシンキもフィンエアー。正確にはJAL、フィンエアー、ブリティッシュの共同運航。後日、友人に話したら「それって文句言っていいんじゃない?」乗務員は愛想のないオバサンたちで「荷物の入れ場所がない」と言ったら「今忙しい」と一蹴された...

  • 即席なべ

    ある晩、息子がメガネを一緒に選んでくれと言うので、二子玉川のメガネ屋に行った。アレコレ試し、決まったのは8時の閉店間際。「うちでご飯を食べよう」と息子。駅から息子のアパートに向かって歩きながら(15分)、誘ってくれるのは嬉しいけど、寒いしお腹が空いた。今から買い物して料理して、食べるのは10時か?まず入ったのは魚屋。お刺身やお寿司コーナーまであり、こんな店が近くにあったら毎日通いたい、と思う魚屋。でも...

  • 美味しかった&何度も食べた

    大学の友達が集まったとき、「コンビニのおでんを4回食べた」と言ったら、「コンビニのものはあまり食べないほうがいいよ」そういえば息子も同じようなことを言っていたっけ。別にわざわざコンビニのおでんを買いに行ったわけではなく、娘と夜道を帰りながら「もう一度出るのはめんどくさい」「寒いし」「そんなら・・・」と、通り道でおでんを買ったのだ。あったかくて薄味で飽きない味、とリピーターになったのは…中毒性があるって...

  • イトーヨーカ堂のオバサン

    シェアハウスは寝具を有料で貸してくれるが、枕は小さいクッションのような、枕とは呼べないシロモノ。娘と駅前のショッピングセンターに買いに行った。西川で見たらあまりに高く(1万3000円から上は4万円台)。「もう少し手頃な枕は?」と聞いたら「それならあっち」。店員さんが指さした方向に行くと、イトーヨーカ堂の枕売り場、5000円台のメモリーフォームが並んでいる。わたしたちがアレコレ触っていると、中年の店員さんが...

  • 引っ越し

    娘がシェアハウスに住むことにしたのは、1年しか滞在しないのにアパートを借りて敷金や礼金を払い、家具を買うことはない、という理由から。彼と2人で滞在するのに2人入居可のシェアハウスを探すのに苦労したけど、新百合ヶ丘に見つかった。部屋の大きさも都内だと9㎡が、ちょっと離れると倍近くなる。Airbnbから引っ越しの日、スーツケース3つだから息子も動員して、新百合の駅に降りると、桜新町とは比べ物にならない大きな...

  • 怖かった

    夕方、娘と2人で実家に行く。玄関までの小道は木が茂り、草が伸び、2年以上誰も住んでいない家は寂しそうだ。冷え切った家の中を点検していると、2階で床がきしる音がした。ギョッとしたけど、娘に言ったら2人でパニックになるので黙っていると、また物音。わたしの部屋は2階、行きたいけど行けない。ドロボーと鉢合わせしたらどうしよう?娘は平気な顔で、シェアハウスで使えそうなケースの寸法を測ったりしている。3回目、...

  • 役所、銀行、デパ地下

    息子は日本に住んで4年。兄貴がいるうちに自分も日本に住みたい、と今度は娘が住むことになった。どこにいてもリモコンで仕事ができる、という時代になったのだ。三が日が終わると、住民票の取得、銀行口座開設、携帯電話の契約・・・・に娘と走り回る。彼女が住むのは新百合ヶ丘なので川崎市役所。休み明けで、待っている人が何十人もいて、ため息が出たけど、「午前中は200人待ちでした」と係の人。住民票(外国から転入)は、“申込...

  • なんという幕開け

    年末ギリギリに着いた東京はパリより寒い。「例年より暖かいんだよ」とあきれる息子。そして年が開けるなり能登地方の地震。余震が収まらないうちに羽田の飛行機事故。日本は大変な幕開けになった。2度あることは…というので3度目はあるか?と心配だ。個人的にもツイていない年明け:Airbnbの廊下を走っていて(なぜ走った!)躓いて転び、膝を派手にすりむき、携帯の画面を壊した。メッセージを打つとき、右端の1列が打てなく...

  • 責任なすり合い

    「Habitat/アビタ倒産か?」のニュースを聞いて真っ先にすべきことは、クレジット払いの2回目、3回目引き落としをブロックすることだ。会社が倒産した場合、まず支払われるのは社員の未払いサラリー、次に未払い税金、取引先、そしてお客。「お客がHabitatから前払い金を払い戻せる可能性はまずない」とル・モンドの記事。即、銀行のカード・アシスタンスに電話すると、「引き落としをブロックするのはあなたの支店の担当者に聞...

  • 夢のソファ

    猫たちが爪とぎに使ってボロボロになっているソファ。買い換えてもまたやるから、とクッションで隠したりして10年来(もっとかも)使っていた。わたしたちは見慣れているけど、初めてうちに来る人がギョッとして 、座るのを躊躇うようになり、ついに買い換える決心。数か所見て歩いて、値段もほどほどでデザインがいいHABITAT/アビタにしよう。HABITATはコンランショップのテレンス・コンランが「モダンな家具でインテリアを刷新」...

  • 出遅れクリスマス

    2つの戦争のせいか、インフレのせいか、世の中、沈滞ムードでクリスマス気分にならない。17日の日曜日に、次の日曜がイヴであることに気づき真っ青になった。ツリーさえ買っていない!娘と待ち合わせして(ひとりでは運べないので)セーヌ河岸の花屋へ行った。恐ろしく寒い晩、着ぶくれして花屋に着くと、2日前通ったときはたくさんあったツリーが少ししか残っていない。残っているのは1m以下の小さいやつばかり。迷っていると...

  • 東洋人はみんな似てる?

    通っているラテンダンスの学校には週1回(1時間)~4回(4時間)まで各コースと、A volonté(無制限)があり、〈自分のやりたいダンス、相性のいい先生、都合のいい時間〉で選べることになっている。外見はちょっとダサいけど、いい先生が揃っている「無制限」は月170€もするのに、このコースを取っている人がかなりいる、という事実に気がついた。夕方6時から夜10時まで、お腹が空けばサンドイッチを買い、学校に住み着いて...

  • 観たあと更によくなる

    神社を境内を掃除する箒の音で目が覚める。布団を畳む。歯を磨く(朝ごはん、食べない!)道具を満載したワゴン車で都心に行き、公衆トイレを次々と清掃する。昼は公園のベンチでサンドイッチを食べ、木々の写真を撮る。仕事が終わると銭湯に行き、地下街の店(毎晩同じ)で食事。帰れば眠くなるまで本を読む…毎日判で押したような生活をしている平山。誰もやりたがらない仕事。娯楽と呼べるものがほとんどない、慎ましい生活。孤...

  • 言うは易し

    片頭痛の要因を減らしなさい、と言われて、わたしの場合はまず、〇コーヒーを減らす:毎日5~6杯飲んでいたエスプレッソを半分に減らし、目下実行中。〇お酒を減らす:わたしのことをお酒好きと思っている友人が多いけど、実は歳と共に酒量は著しく減っている(でも酒好きのレッテルは変わっていない)。この2週間ワインを飲んでいない。しかしこれからクリスマス、年末、新年と誘惑の季節が待っている。〇枕を変える:片頭痛対...

  • フランスの医療は

    ヘアサロンで隣の男性客と美容さんの話を聞くともなく聞いていた。ずっとNYに住んでいたという美容師さんに、男性客が「パリとどっちがいいですか?」。「うーん…どっちも短所、長所があって比べられないけど、医療はだんぜんフランスがいい」確かに!医師不足は問題だけど、それでもフランスの医療は優れていると、今回身に染みて思った。救急医は来てくれたし、3日目、途方に暮れて、かかりつけのお医者さんにメッセージを送る...

  • 救急での5時間

    まだ続くのか、もうたくさんだ、と言われそうだが、もう少しだけおつき合いください。期待したアキュポンの効果は4時間後に切れた。「もう一度救急医を呼ぼうか?」と夫。ムムム…確かに注射は効いたけど4時間後にまた始まることを考えるとウンザリだ。そこへ会社の人が「Hôpital Lariboisière(ラリボアジエール病院)のUrgence Céphalées(頭部救急)に行くといい」。そんなこと言われても・・・何しろまだ吐き気がしていて、タク...

  • 悪夢の週末2

    以前は、SOSメディサンに電話すると生身の人間が返事をしてくれたけど、コロナから手続きがややこしくなった。画面に個人情報を入力して初めて電話ができる。しばらく「そのままでお待ちください」が流れてやっと出てきた人間に、名前、生年月日、住所(全部入力したのに)病状を伝えると「担当者に代わります」。2人目に同じことを聞かれ、繰り返し、ドアコードまで聞くから「おお、来てくれるのか?」と期待するが、「担当医に...

  • 悪夢の週末

    しばらく鳴りを潜めていた片頭痛の発作が土曜日の朝始まった。すぐに処方された薬(スマトリプタン+消炎剤)を飲んだら2時間くらいで治まった、と喜ぶのは早く、午後になってまたズーン!ズーン!…今度は薬が効かない。ウンウン言いながらひたすら鎮まるのを待つしかない。同じく片頭痛持ちの(つまり理解がある)娘は泊りがけで友達の別荘に出かけている。夫がいるにはいるけど、看病に向いていない人なのだ。95㎏の体重でドシ...

  • 村の大昼食会

    夫の実家があるシャンパーニュ地方の村は人口200人。パン屋もカフェもなく(でも教会はある)郵便番号と相手の名前だけで手紙が届く。そこで毎年11月の日曜日、村の“古顔”を集めて昼食会があり、義父は常連だった。今年は夫とわたしにも招待状が来たのだ。夫はしょっちゅう田舎に行くけど、殆ど行かないわたしまで“古顔”扱いしてくれるとは(年齢のせいか?)。これは行かないわけにはいかない、と言ったら夫がびっくり。冬の田舎...

  • ご託宣のレストラン

    日本から来る友達から「美味しいフレンチレストランを選んで」と頼まれ、ハタと考えてみれば、また行きたくなるフレンチに最近出会っていない。マレの「JAJA/ジャジャ」は美味しいことは美味しいけど、コロナ以後、量を減らし値段を上げた(どっちかにしろ)。それに騒々しいので怒鳴り合わないと話ができない。家の近くにある「H/アッシュ」はミシュランひとつ星を取り気になるお店だけど、コース95€~、料理に合うワインを組ませ...

  • フランス語の博物館?

    11月1日、Cité Internationale de la Langue Française/フランス語国際都市がオープン。フランス語とフランス語圏のカルチャーの博物館で、場所はパリから北へ85㎞、エーヌ県のヴィレール・コトレ城。1539年、国王フランソワ1世が『ヴィレール=コトレ勅令』に署名し、ラテン語に代わってフランス語を公用語に定めたという象徴的な場所だ。マクロン大統領が特に力を入れたそうで、高校時代、フランス語教師(ブリジット)と恋に...

  • 前代未聞の“変異”

    フランソワと高校生の息子エミールは渋滞に閉じ込められていた。父はイライラとタバコを吸い、息子はポテトチップスをボリボリ食べ、「友達とやることがあったのに…」「やることってバカなゲームだろ。今日は2人で行くって約束したじゃないか」ムッとしたエミールは突然車から降りて歩きだす。オイ、待て!と追いかける父。その時、渋滞の中にいた救急車が異様に揺れ動いて、ドアから飛び出してきたのは羽が生えた人間。大きな羽...

  • えっ死語なの?

    ずっと会っていなかった友人と日本レストランでご飯を食べた。「最後に会ったの、コロナの前だっけ?」「いや、いくらなんでも…2021年?」コロナ前・コロナ後が戦前・戦後のようなマーカーになっているのは何処も同じ。2人とも鮭の照り焼きを選び、最後に残った甘辛ソースに、彼はご飯をぶち込んだ。残ったソースをパンで拭って食べるフランス人がよくやること。気持ちはわかるが、日本人はうちではやるけど、外ではあまりしない...

  • 『オオカミ少年』たち

    先週からフランス各地の空港に爆弾予告が相次いでいて、「その数は70件近い。予告はメールで届き、殆どはスイスの同じアドレスから送られている」と運輸相。なぜスイスかと言うと、EU(欧州連合)に加盟していないので、EUの処罰が課せられないから。なるほど。運輸相曰く、犯人は「悪い冗談が好きの大バカと、あくどい愉快犯」その度に機動隊が駆け付け、人々はパニックになり飛行機が遅れ、それを見て喜んでいるんだから全く大バ...

  • とんでもない「同意」

    文学少女ヴァネッサが作家ガブリエル・マツネフに初めて会ったのは、母親が“文学友達”を夕食に招いたときだ。リベルタンとして知られる彼の淫乱な話を、お客たちは面白がって聞いている。でも50歳のマツネフの視線は、執拗に13歳のヴァネッサを追っていた。間もなくヴァネッサはマツネフから手紙を受け取るようになる。「あの晩から、あなたのことが頭から離れない」「あなたのような人に出会ったのは初めてだ」詩的な言葉で綴られ...

  • 恋で若返る

    「その晩、お酒を飲んだの?どのくらい?」「今年、何人の男子とつき合ったの?10人以下?以上?」「そのうち何人と寝たの?」・・・・警察の尋問のように畳みかけるアンヌの前で、若い女の子は震えている。アンヌは警察官ではなく有能な弁護士。これから弁護する、強姦された女子に質問しているのだ。家に帰れば、打って変わった優しい表情。アンヌは夫と2人の娘と大きな家に暮らしている。絵に描いたような幸せ?そこへ、夫の前妻と...

  • 今度こそ?

    「鼻、咳、悪寒…」最後まで言わないうちに、薬屋のオジサンは「COVIDかもしれない!」「症状がぴったりです」となぜか嬉しそうに言う。「鼻・咳・悪寒」が症状の病気は他にもあると思うけど。「テストをしますか?」夫は心不全、高血圧、高齢、肥満…と悪条件が揃っているからうつすとマズい。「はい、するする」と言ったら、「え?症状は昨日から?じゃテストするのは早すぎる」3日後に来いと言われた。家族はみんな罹っていて(...

  • 最近SNSに最も登場した人

    1位はアントワーヌ・デュポン。ラグビーW杯フランス代表チームの主将。9月21日、対ナミビア戦で顔面骨折した(痛そう…)。翌日トゥールーズの病院に運ばれ口腔専門の外科医が手術し、顔にプレートを入れて補強。フランスチームの運命を担う選手だから、最優先で手術が行われ、経過はよく「準々決勝には出られるかもしれない」(なんて乱暴な…)サッカーは観るけど、ラグビーはルールがわからないし興味もない私でさえ、アントワ...

  • 非居住者が理解に苦しむ

    のは銀行の扱いだ。まず普通預金口座しか持てない。さらにネットバンキングができない。海外にいるからこそ必要なのに。日本にいないで振り込みをするときには誰かに頼まなければならないし、誰かが振り込んでくれても確認ができない。「届きました?」と聞かれても「さぁ…多分」その上、帰国中に、日本の企業なり個人に振り込みをするときは「外国向け送金」扱いになる。その操作は、わたしの銀行の場合、窓口ではなくブースに入...

  • 一時帰国者の密かな愉しみ

    それは免税!去年の12月、娘と帰国したときは、2人で念願の資生堂の化粧品を買い(娘のほうがたくさん買った。必要なのはワタシなのに)免税カウンターでパスポートを見せ、免税額でお昼ご飯が食べられた。ところが今年4月に免税制度が変わりパスポートだけではダメ。「日本国籍を有する非居住者」は戸籍の附票か在留証明(2年以上)が必要になった。なぜ?在留証明を日本大使館に申請するには、日本のパスポート、フランスの滞...

  • 夫殺しの女性を、うちの夫は知っていた

    北フランスのダンケルクで、37歳の女性がナイフで13か所刺し夫を殺す、という事件があった。女性は元高校教師、今は市議会議員、児童書の著者。夫はダンケルク大学の教授、51歳。2人の間には20カ月になる子供がいる。9月18日の夜、彼女は警察を呼び「家に泥棒が入り、夫は血まみれになっている」警察が駆けつけ、息絶えている夫を発見。血の付いたゴム手袋の裂け目と妻の手の傷が一致することから、妻を疑い始める。間もなく妻は...

  • 非常口?脱出を援助?

    飛行機の予約するとき、最前列の座席を選んだ。脚が延ばせるし、トイレに行くとき隣の人(たち)の邪魔をしなくて済む。乗ってみると、そこは非常口に接している席だった。すぐ逃げられる、と思ったのは大間違い。座るとすぐにスチュワーデスが近づいてきて、紙切れを渡し「これに同意していただけますか?」紙切れによると、この非常口席は、以下の条件を満たす人しか座れない。1)満15歳以上(十二分に満たす)2)付き添いや係...

  • 合羽橋の道具街

    息子がわたしに包丁をプレゼントしてくれるというので、やってきた。よく来るわけではないけど、下町っぽくて好きな界隈。こういう家並みが残っている。リシャール・コラスという日本通の実業家&小説家が「日本はミルフィーユだ」と言っていた。前の時代を残したまま、時代が変わっていくので何重もの層になっているから。彼曰く「一方中国は前の時代を塗り替えて変化する」入った刃物屋のおやじさんは「どこから来たの?フランス...

  • 東京ザッピング

    数か月、人が入らなかった実家は雑草が腰の高さまで伸び、お腹を空かせたやぶ蚊が待ち受けていた。鍵を探している間に4か所刺される。今年は暑すぎて蚊がいないんじゃなかったの?それに息子の血の方がフレッシュで美味しいのに…身体中に虫よけスプレーを振りかけた。近くの公園(空地?)で遊ぶ真っ黒に日焼けした子供たち。「腕白でもいい」という古いCMが浮かんだ。腕白がいいよね。しかし暑い。この暑さが80日以上続いてい...

  • 「パリ・オリンピックはダメだね」

    空港に向かうタクシーの運転手さんは定年間際のオジサン。おしゃべりで愛想がいいのはいいけど、「あ、あそこがわたしダンス学校」と夫に言うと、そっちを向き、「あそこに〇×が住んでいる」と夫が言うと、そっちを向く(前を向いて運転しましょう)。それからパリ市長イダルゴの悪口になり(歩行者、自転車用ゾーンを広げて渋滞を悪化させたイダルゴ市長は全タクシーから嫌われている)、「パリ・オリンピックはダメだね」「どう...

  • 夢の解釈

    時々、ストーリーがある夢を見るのに、目が覚めて手繰り寄せようとしてもスルスルと消えてしまう。数日前に見たこの夢だけは、ちゃんと覚えていた。夫とわたしは映画館にいる。劇場みたいに2階席があり、わたしたちは2階の最前列に座っていた。映画があと10分くらいで終わるというとき、夫が突然立ち上がり、2階席の欄干から乗り出して、落ちるところ、危機一髪でわたしは彼の片足を捕まえた。わたしの体重の倍以上ある夫をどう...

  • 雑草取りとトマトの味

    久しぶりに田舎に来た夫は庭仕事で忙しそうなので、「何か手伝うことある?」と聞いてみたら、「あ、庭仕事がしたいの?」「別にしたいというわけじゃ…」礼儀上言ってみただけで「特にないよ」という返事を期待していたんだけど、「じゃ野菜畑の雑草を取って」とシャベルと手袋を渡された。“野菜畑”と言っても、奥行き1m弱、幅4mほどの花壇に、オゼイユ、ミント、ピーマン、トマト、プチトマト…を栽培している。野菜の周囲には...

  • 気候変動は痒い?

    親戚の結婚式があり、週末田舎に来ている。家に入るのはちょっと戦々恐々だったのは、8月初め、娘が彼と田舎の家に来たら、家の中に蚤が大量発生していたから。娘は刺しまくられ(大抵彼女が蚊柱、蚤柱になる)、悲鳴を上げて電話してきた。今まで野良猫が出入りしてもそんなことはなかったのに。日本にいたときいつも猫3~4匹と一緒に住んでいたので蚤にはちょっと詳しい。蚤は並外れた飛翔力があるけど、泳げない。着ていたも...

  • カンヌ映画祭パルムドール『転落の解剖学』

    サンドラ、サミュエル、息子のダニエルの3人家族は、1年前から人里離れた山奥の一軒家で暮らしている。目の不自由なダニエルが犬と散歩して帰ってくると、父サミュエルが雪の上に倒れていた。周囲に赤黒い血が広がっていて、もう息はなかった。“転落事故”の可能性はすぐに退けられ、残るは自殺か他殺。家にいた妻のサンドラが殺人容疑者になり、旧知の友人で弁護士のヴァンサンが駆けつけてくる。裁判が始まった。観客は陪審団と...

  • タトゥーの氾濫

    みんな裸(同然)の海岸にいると、タトゥーを入れている人のなんと多いことか!数えたわけじゃないけど、20~50歳では入れている人のほうが多い感じだ。それも小さいモチーフや漢字ではなく、とくに男性は二の腕全体とか背中の上半分とか、脚(1本だけ)の上から足首までツタが絡まったようなタトゥーをしている女性もいたし、目立つのが増えている。一方トップレスは1週間いて1人だけ。娘がタトゥーを入れるのを夫は大反対して...

  • Bookingのせい

    不動産屋のドミニックからアパートを借り始めて早11年。電話で空き状況を聞いて日程が決まると20%の前金を送る。当日は駅か空港まで迎えに来てくれて、アパートに着くとロゼワインやタップナードの歓迎プレゼントが用意されている。何かが故障すれば修理に駆けつけて来るのも彼。発つ日には「清掃人が入る」と契約書にあるけど、ドミニックが新しいシーツやタオルと共にやってきて清掃人に早変わりするのだ。つまり不動産屋を越え...

  • トンネルを抜けるとそこは地中海!

    Beaulieu sur mer /ボーリュー・シュル・メールの小さな海岸『蟻の入り江』に再会したときの嬉しさは毎回変わらない。同じ町の同じアパートを借りるのは5回目だ。わたしたちより年上の夫婦が、毎年ブルターニュの同じアパートを借りるのを見て、どうして同じところに行くんだろう?と思っていたけど、その気持ちがわかる歳になったってことか。馴染みになった場所の安心感。夫が病気をしてからは、また今年も元気でここに来れてよ...

  • 警官つきTGV

    午前10時。雨、20度のパリを出たTGVは太陽を求める人たちで満席。時速285㎞-『のぞみ』と同じ速さ?-で、ニースまで6時間かかる。1週間海辺に行くのに往復12時間はもったいないけど、飛行機がすごく高かったので仕方がない。発車して間もなく、警官が4人も通路を通っていった。SNCF(フランス国鉄)のガードマンではなく、武装した警官なのでみんな「?!」という顔。しかも4人が束になって行ったり来たりするんで物々しい。...

  • アフリカンプリントは忍耐

    「ウエストをゴム」のブティックが閉まってから1年の月日が流れ、もうご縁がないかと思っていたら、近くに2件、アフリカンプリントのお店が開いた。しかも同じ道、間隔は5m足らず。1件はアフリカンプリントと無地の生地をパッチワークにしたりしてちょっとダサいが、もう1件はウィンドウのシンプルなワンピースが、ムム…悪くない。一度入って試着してみたけど、デザインがわたしには似合わなかった。でも張りのあるコットン...

  • 「食」はコミュニケーション

    料理研究家Nが日本から帰ってきて、「あなたにも小さいお土産があるのよ。ちょっと会えない?」食べまくった2週間の話、わたしも聞きたい!結局時間が合わず、電話で話したらすごい長電話になった。一番多くされた質問は「日本は初めてですか?」この返事「わたしは5回目、夫と娘は2回目です」は教えてあったので、最後にはスラスラ言えるようになった。一番連発したセリフは「おいしい!」中でも、一番美味しかったのが福井県...

  • 夏の連載小説 『アラン・ドロンVSひろみさん』

    の新しい章は『ひろみさんの反撃』。「パパを虐めた」とドロンの子供3人に訴えられたひろみ・ロラン。自宅が家宅捜査され事情聴取は6時間続いた。左がアントニー・ドロン。真ん中の奥にひろみさん。サングラス+マスクだとちょと怖い。photo:AFPその3週間後、今度はひろみさんが“集団暴力、誹謗中傷、盗み”で訴えた。集団暴力:子供たち3人がガードマンを連れてやってきて、A・ドロン宅からひろみさんを“力づくで”追い出した。...

  • アフリカンプリントが好きだけど

    鮮やかなプリント生地のロングドレス、お揃いのターバン。伝統的スタイルのアフリカ女性は思わず振り返るほど素敵。日本で着物姿の女性に振り返るのと同じだ。ワックスと呼ばれるこの生地は、実はアフリカ生まれではなく、インド更紗が元だと最近知った。インド更紗は中世からアジアやヨーロッパに輸出され、インドネシアでは王侯貴族の間で流行。自国で作ったインド更紗がジャワ更紗と呼ばれた。19世紀、オランダの会社が機械化で...

  • この人がパリオリンピックのアートディレクター

    7月26日。来年の今日はパリ・オリンピック&パラリンピック開会式。ラジオが特集番組をやっていて、開会式&閉会式のアートディレクターの名前を知った:トマ・ジョリ、舞台演出家&俳優、41歳。photo: sceneweb.fr22歳で演出家としてデビュー。2010年からシェークスピアの『ヘンリー6世』を2サイクルに分割する試みをして、2013年のアヴィニヨン演劇フェスティヴァルで上演(休憩も入れて18時間!)。モリエール賞(大衆演劇部...

  • メトロで出会った男女の一夜

    最近観た映画の中で一番良かったのは深田晃司の『Love life』だ。日本では2022年9月に公開になっているから筋を書くまでもないけど、フランス版のポスターには「ネタをバラさないでください」という注意書きがあった。フランス製“男と女のお話”では必ずと言っていいほどベッドシーンがある。日本映画はより間接的だ。『Love life』で、椅子に乗って電球を替えている夫の脚に、妙子が抱き着くシーン-フランス人が感じたかどうかは...

  • ブリジット・マクロンがよくLVの服を着ている訳

    ブリジット・マクロンは公式の場に現れる時、必ずフランスブランドを着ている。その筆頭は、Louis Vuitton、Balmain、 Chanel…衣装代はゼロがいくつか見当もつかないけど、わたしたちの税金で払われているんだろうか?7月14日、革命記念日の式典で。同じ日の夜。ルーヴルでの晩餐会。主賓のインド首相、ナレンドラ・モディと。白が好きでよく着ている。むずかしい色なのに、似合ってます。photo: journaldesfemmes.fr会計検査院の...

  • N一家、日本珍道中

    日本に発ったナタリー一家、帰ってから話を聞くのが楽しみと思っていたら、帰りを待たずメッセージが送られてくる。「ひらがなとカタカナ表を忘れてきた。写真に撮って送ってくれる?」は離陸前。「billet は何だっけ?えんぴつ?」は関空に着いたとき。ジャパンレイルパスのカウンターに行くところか。「えんぴつはcrayon 。billetはきっぷ」この調子で毎日質問が送られてきたらかなわんと思っていたら、次はアナゴの白焼きと小エ...

  • 親の責任?

    13日の夜から、革命記念日(パリ祭)の14日夜まで、13万人の警官&憲兵が全国の警戒に当たる、とニュース。photo:parisien.fr車に放火するのがパリ祭の“恒例”になっているけど、いつもより多くの警官&憲兵が駆り出されるのは、17歳のナエルが警官に射殺され、フランス各地で暴動が起こったから。一応鎮まったけど、だからと言ってアフリカ、アラブ系移民の怒りが鎮まったわけではない。暴動を恐れてお祭りを中止した市町村もある...

  • シネマの怪物が虐めにあう

    「アラン・ドロンが同棲者からモラルハラスメントを受けていると、子供3人が訴えを起こしています」週刊誌の記事ならともかく、先週の国営放送のニュースで何度も伝えられた。私が耳をそばだてたのは、87歳のドロンを虐めているという女性が日本人だからだ。60歳のひろみ・ロランさんは、「父を家族や友人たちから遠ざけようと、任意の暴力や監禁。それが次第に激しくなっている」と子供たち3人:ナタリー・ドロンとの間にアント...

  • 日本を見てから死ね

    民族大移動、と言ったらオーバーだけど、今年は大量のフランス人が日本へ行く。わたしの周囲だけで12人。日本語の生徒さんが行くのはわかるけど、日本に特別興味がなさそうだった夫の従妹2人(ともに70歳過ぎ)まで。今年の流行語大賞(フランスにはないけど)は「日本を見てから死ね」になるのでは。今週は生徒さんのナタリーが夫と娘と一緒に日本に発つ。料理研究家の彼女は「日本で食べたいもの」でコースを決めている:関空か...

  • デモから暴動へ

    パリの西ナンテールで、17歳のナエルが警官に撃たれ死亡したのが6月27日。その晩からナンテール市内で抗議デモが起きた:花火や火炎瓶を警官隊に向かって投げ、車やゴミ箱に放火、建物を荒らし、音楽学校に火をつけた。警官20人が怪我。ニュースは「デモ」ではなく「emeute/暴動」という言葉を使い始める。翌28日、2000人の警官、憲兵が出動。暴動はパリ西郊外からパリ市内に広がり、地方都市に飛び火する。警察署や学校に放火(...

  • 失言続くエマニュエル・マクロン

    今週はじめ、マクロン大統領は3日間マルセイユに行っていた。フランス第二の都市の治安の悪さ、貧困、住居難…を解消するのが任期の課題のひとつ。2021年に15億€の援助金を約束し、2年後視察に行ったというわけだ。そんなに不人気というわけでもないのね息子の仕事が見つからず困っている母親から話しかけられ、「息子さんはどんな仕事でもする気があるんですか?(母親「はい、なんでも」)それなら港をひと回りすれば、従業員を...

  • 2隻の遭難船

    毎日何回もニュースになった潜水艦Titanの行方不明。1912年に沈没したタイタニックの残骸を観に行く、アメリカのOcean gateという会社が企画している“観光ツアー”だ。潜水艦は6月18日に出発してすぐ消息がわからなくなった。乗っていたのはイギリス人大富豪(58歳)、パキスタン人大富豪(48歳)とその息子(19歳)、元海軍のフランス人でタイタニック専門家(77歳)、そしてOcean gate社長の計5人。フランス人は「ムッシュー・...

  • 年を取る速度が違う

    2週間遅れで誕生祝い、一番仲のいい友達7人が来る。10日くらい前に電話で誘うとみんあすぐ「行く!」「6月のフェットね」。自分の誕生日を口実に友達を呼ぶのは10年来の習慣で、覚えていてくれる。一方、夫は今年から「80歳まで誕生日を祝わない」と決めた。年取るのに直面したくないから、だと。夫は9歳上、私もいずれそうなるのかな。年齢差は人生のはじめと、年を取ってから感じられるというのは本当だ。さて。うちの家族が...

  • 大阪のオバサンとイヴリーのオジサン

    娘はイヴリーに彼と住んでいて、2人とも近くのアトリエを仕事場にしている。6~7人の画家やイラストレーターが共同で使っている。そこで“Porte ouverte/ドア開けっぱなし”と呼ばれる作品の公開日があった。郊外と言っても、「Marie d’Ivry/イヴリー市役所」はRER-C線でオステルリッツ駅から2つ目。夫とプラットフォームで待っていたら、あと1分で着くはずの電車が突然「削除」の掲示。「着く1分前に削除ってどういうこと?!...

  • コントワール・デ・コトニエまで!?

    80年代に人気だったKookaïに会社更生法、天下のギャラリー・ラファイエットグループが経営難!のニュースにびっくりしたのが今年2月。そしたら今度はコントワール・デ・コトニエとプランセス・タムタム。どちらもUniqlo (正確にはFast Retailing)の傘下で、コトニエは67店舗のうち28。タムタムは69店舗中27が消えることに。かつて若い子が夢見るブランドだったのに…でもその“かつて”は2000年代初めだから20年も前だ。Uniqloがこ...

  • 愛と支配欲

    ブランシュが弁護士に事情を話すところから物語は始まる。ブランシュは学校の先生、この仕事に情熱を持っている。ある晩、パーティでグレゴリーと出会った。銀行員で美男のグレゴリーの熱い口説きにブランシュはときめく。彼は理想的な男性に見えた。そこからはトントン拍子で、間もなくブランシュは妊娠し、グレゴリーはメッツに転勤になる。家族-とりわけ双子のローズ-と離れるのは心が痛んだが、転勤なら仕方ない。彼女は故郷...

  • マクロン夫妻のファッションって…

    なぜ、マクロンはシャツを2枚着ているのか?ストライプのピンクに合わせてピンクのシャツだから、色的にはマッチしているけど、なぜ重ね着?キャッチの「マクロンはよく働くのでシャツが2枚買える」は面白くなく、納得もできない。「それにジーンズの形が悪い」と娘。でもブリジット・マクロンの服装のほうにダメ出しが多かった。「いくら脚が自慢でも、この歳で膝を出しちゃダメ」とわたし。「この歳でキラキラのバスケットシュ...

  • 話は前後しますが、

    ゴールデンウィーク最後の日、東京-ヘルシンキのJALに乗った。なぜ経由便かというと-値段もあるけど-JALの直行便は朝9時、ということは遅くとも7時に羽田到着、ということは5時半出発、ということは4時半起き。つまり最後の日は全く使えず、前夜は殆ど眠れない。ヘルシンキ経由は夜11時で、最後の日が丸々使える。飛行機は空いていて、真ん中4席に娘と2人。折り重なりながら横になれた。娘は、寝息を立てているのに、機内...

  • パリと東京、ヴィンテージ比べ

    Mode offに服を持って行ったとき。店員さんが仕分けをする間待ち、名前を呼ばれてカウンターに行ったら、殆どの服がひとつのボックスにまとめられ、セーターが2枚、別のボックスに入っていた。この2枚は買い取れないのね、と思ったら、実は逆だった。“殆どの服”の中にはソニア・リキエルの夏物(30数年前のだけど)もあったので、「これもダメなんですか?」と聞いたら、「流行りじゃないんで」わたしはソニアだけ拾い出し、200...

  • 江の島の一日

    娘が着いてから毎日片づけじゃ可哀そうだから、日帰りで何処かに行こう。夫とは山(箱根)に行ったから海?最後の週末、わたしたちは江の島へ出かけた。田園都市線の中央林間で待ち合わせた息子は、短パンにプリントシャツ、水着、バスタオル持参で、コート姿の女2人を「ナニ、その恰好!」笑ったが、現実は寒くて、わたしたちが正解だった。江の島の駅を出ると、目の前が海。思ったより人が多い。カラスもたくさんいて、鷹に似た...

  • 縁むすびの花帯VS愛の南京錠

    毎日2回は通る道に小さい神社、桜神宮がある。その隣は幼稚園。人が忙しく行き来する駅前通りで、その一画だけ時間の流れ方が違う。ある日、ピンクの花がたくさん咲いているのを見て、初めて入ってみた。ピンクの花は、実は細い短冊で、その木は“縁むすびの木”。こんな小さい神社に、こんなに多くの人が願い事(読まなかったけど)をするんだと感心。桜にちなんだピンクの“花帯”も、近眼のわたしが花と見間違うくらい美しい。それ...

  • 最強のコンビ

    夫が発ち、入れ替わりに娘が着いてからは、前回の続きで実家の整理をする。男2人はあまり頼りにならないからだ。夫はちょこっと手伝っては昼寝をし、息子は、まぁ仕事があるから仕方ないけど、時間は限られている。「2時間で帰ってくるから、ここの押し入れと本棚をお願いよ」と男2人に言い置いて、帰ってくると全然進んでいない。「ナニしてたの!?」「いろいろ議論することがあって」と息子。「そう、なかなか面白かった」と...

  • 羽田は元気

    去年の7月、送ってきてくれた友人が羽田の閑散を見て「日本も終わりだ」とつぶやいたのを思い出す。たしかにSF映画みたいだった。10か月後、夫を送りに来た出発ホールは人が溢れ、ほぼ全部閉まっていたお店も7割方開いている。3年間、待ちかねた外国人が復活祭休暇にやってきて、連休前に帰るところ?セキュリティチェックに入る人たちの長蛇の列。JALのスタッフが「Face Expressをすると早く行けますよ」搭乗券とパスポートを...

  • パスポート騒動

    夫は正味8日間の滞在で、10数年ぶりで会う友人たちと食事をしたり、箱根にも行ったのであっという間に過ぎ、発つ日になった。彼の飛行機は夜11時なので、最後の一日、息子と過ごそう、と駅に向かって歩いていたら、「補聴器を忘れた!」「わたしが取ってくるから(そのほうが早い)ゆっくり(つまり通常のスピードで)歩いてて。パスポートは持った?」「パスポート?」「買い物したら免税のとき要るでしょ」夫はコートのポケット...

  • 心配させないでよ

    今回、田園都市線沿線にAirbnbを探したけど、夫と2人、喧嘩せずに過ごせる広さのが見つからない。日本の国境が開き、桜の季節(『桜=4月』と思っている外国人が多い)、それに円安も手伝って外国人が押し寄せているからか。結局、ワンルームを2つ借りることになった。ある朝、わたしの部屋で一緒に朝ご飯を食べ、「支度してくるから」、と夫は自分の部屋に帰った。30分後、ドアのベルを鳴らしたけど返事がない。シャワー中?...

  • 思い出辿り

    「水の音」の朝ご飯は、夕ご飯に負けず美味しかった。鯵の一夜干しは、温められるようにコンロが用意されていて、玉ねぎとジャガイモのお味噌汁は鍋ごと来る。お重の中には、卵焼き、ミニ昆布巻き、鰯の甘辛煮、鱈子炒り…こんな風に一口ずつ、色んなものが味わえる日本の食事に感激する。朝食には順応性がない夫が、「コーヒー、ハム、フロマージュ・ブラン!」と騒ぐかと思ったら、喜んで全部食べていた。その後、「モトを取らな...

  • このホテルは当たりでした

    「水の音」という小涌谷のホテルには、大浴場2つと貸し切れる露天風呂がいくつかあった。各階に作務衣が各サイズ用意され、部屋にはバスタオルと小さいタオル、足袋ソックスが入った温泉用の籠。夫は小さいタオルを取り出し「何に使うの?」「これで身体を洗ったり、浴場に入るとき、なんとなく前を隠すのに使うんだ」と息子。「何を隠す?」「・・・・」「ほかの人がしているようにすればいいの」とわたし。ところがちょうど食事時の...

  • 芦ノ湖の衰退

    ホテルに荷物を置いたのは13時過ぎ。「この辺でお昼を食べられるとこありますか?」と聞くと、「すぐ近くにフランス料理のレストランがあります」。ここまで来てフレンチを食べたくないけど、お腹が空いてえり好みは言ってられない。お店の名前はROI(王様)、お客さんは誰もいない。お昼のメニューは:ハンバーグ、メンチカツ、ポークソテー、シーフードグラタン。どれもスープとサラダつき。日本で(本場の)味を、とわたしはハ...

  • なぜ箱根かというと

    わたしは東京で諸々用事があるけど、久しぶりに日本に来る夫のために、1泊でどこかへ出かけよう。「山がいい」と言われ、思いつくのは箱根。近いし、山だし…何よりわたしには思い出のある場所。その昔、おばあちゃんが「二束三文で」土地を買い、「もしかしたら温泉が出るかも」と庭のあちこちを掘り返したけど、何も出なかった。温泉を諦め、茅葺の山小屋のような家を建て、わたしたちは毎年夏休みをそこで過ごした。当時は小涌...

  • 発てないかと思った

    年金改革反対のスト&デモが頻度を増し、週一になっている。日本に発つ日に当たりませんように、とお祈りまでしたのに、13日、12回目のストにぶつかってしまった。RATP(パリ交通公団)は「ほぼ正常」とニュースで言っているけど、RERをよく使う友人が「ニュースはトラブルを過小評価する、スーツケース持って混んだB線に乗るのは避けた方がいい」前日、デモのコースが発表された:オペラからバスティーユ。デモ隊が終着点に着くの...

  • マリーヌ・ルペンのひとり勝ち?

    年金改革でエマニュエル・マクロン支持が落下し、野党連合NUPESは、チンピラのようなヤジや暴言で国会を混乱させ評判を落とした。それを傍観し、時々まともな発言(「マクロンは象牙の塔に篭り、国民の声を聞かない」「49.3の連発は民主主義の危機」…)をしていたマリーヌ・ルペンが一気に点数を稼いだ。先週のアンケートで「1週間後に大統領選を行えば」第一回投票でルペンは31%獲得。与党のエドゥアール・フィリップ28%、急進...

  • 何処も同じ、却下される子供の名前

    一昔前のフランスで、子供の名前はカレンダーに記されている聖人名、歴史的に知られている人の名前に限られていた。それが“自由化”されたのが1993年1月。その後に生まれた子供にはテス、ケヴィン、オセアンヌ(océan/大洋のギリシャ語)…など外国名が出てきて、それでもまだ常識的だったのが、最近、戸籍責任者が仰天するトンデモナイ名前が続出:Nutella(ニュテラ:仏版ピーナツバター)Fraise(フレーズ:イチゴ)Anomalie (...

  • 閣外相が『プレイボーイ』の表紙に

    「エイプリルフールの冗談かと思いました」とニュースキャスター。社会福祉&連帯閣外相マルレーヌ・シアパが4月8日発売の『プレイボーイ』に、女性の権利について長いインタビューを載せ、表紙に(服を着て)登場する。2017~2022年(マクロン大統領1期目)に、男女平等&差別廃止担当閣外相、次いで市民権担当大臣と若くして重要ポストに就いた。でも一見、政界より芸能界のほうが似合いそうな雰囲気の40歳。photo:causeurエ...

  • 幽霊が出そうで出ない『永遠の娘』

    誰もいない田舎の夜道を走るタクシー。乗っているのは母と娘と犬、行き先は古い館を改造したホテルだ。レセプションの女性は不愛想で、母娘の予約を見つけるのに手間取り、ホテルはガラガラなのに希望の部屋は空いていないという。ジュリーが交渉している間、母親は何も言わず隅の椅子で待っている。なんとか希望の部屋をゲットしたジュリー、「ママ、この部屋、覚えてる?」「天井の壁紙を覚えているわ」母は若い頃、このホテルに...

  • 年金改革反対:どうやって収束させるつもり?

    木曜の9回目の年金改革反対スト&デモは参加者が108万人、抗議の声も激しくなった。出発点のバスティーユ数時間後、終着点のオペラでは過激極左派も加わった。photo:BMFTV2日前の火曜日、年金改革案は可決されたものの、僅か9票差。政府に同調するはずの右派レピュブリカンの一部が寝返って不信任案に票を入れ、スレスレの可決。反対派を強気にさせた。翌日水曜、沈黙していたマクロン大統領がやっとTVニュースに現れた。大統領...

  • 不信任決議案が通ったら

    金曜日以来「49.3(キャラント・ヌフ・トロワ)」「モーション・ドゥ・ソンシュール/不信任決議案」という言葉が、耳にタコができるほど繰り返される。ラジオをつけっぱなしにしているからタコができるんだけど。49.3、憲法49条3項とは、政府が、審議中の法案を国民議会の投票なしで可決できる。つまり強行採決。モーション・・・・は強行採決をひっくり返すことができる野党の手段。国民の3分の2が反対している年金改革法案を「投...

  • クジラの哀しい目『ザ・ホエール』

    英語(=国語)教師のチャーリーはオンラインで授業を行っている。でも「カメラが壊れている」と自分の姿は見せない。チャーリーは何年か前、男性と激しい恋に落ち、妻と娘を捨てた。その彼が亡くなったあと、無茶食い障害になり、270㎏の、クジラのような身体になった。トイレに行くのも歩行器が必要で、一日中ソファから動けない。手当たり次第に食べまくる発作と自己嫌悪、孤独、後悔…の毎日。通ってくる看護師のリズが唯一の友...

  • 女性の性被害の扱われ方

    モーリーンはCFGT(CGTに次ぎフランス第二の労働組合)組合員で、同時に国営原子力発電会社AREVAの労組秘書としてAREVA従業員の権利を守る。モーリーン(イザベル・ユペール)のファッションも見もの。女社長から支持されていたが、社長が代わり、男性社長になると「女に何ができる」という風潮になった。2012年、モーリーンは、EDF(フランス電力)の情報提供者から「EDF、AREVAと中国の原発会社の間で密約が取り交わされた」こと...

  • 国際女性デーの限定商品

    昨日3月7日、年金改革反対ゼネストで公共交通はほぼマヒし、学校の一部は閉まり(推定で、小学校教員60%がスト)製油所も閉まり…。全国のデモ参加者は警察発表で130万人、労組の発表は約3倍の300万人。どう数えればこれだけ差が出るのか、フランス七不思議のひとつだが、政府VS労組の対立の深さに比例して、“参加者数”の開きも大きくなる。年金改革は、エマニュエル・マクロン立候補時の公約であるだけに、いくら反対されても...

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