ベティ王妃はケーキを味わいながら考えた。バート斎藤侯爵は元々が美濃の寄親伯爵。歴史ある一族の生まれ。それも、嫡男の不祥事で美濃での影響力は一掃された。ところが伝手が残っていると言う。おそらく一掃されたのは、斎藤伯爵家由来の貴族だけで、平民クラスが残っているのだろう。現在の美濃代官とも接触があるとも言う。これまでの経緯から、親密度までは期待していないが、それでも無いよりは良い。「その代官はカールかしら。ポール細川子爵の弟の」珈琲を飲んでいたバートが上目づかいで頷いた。「はい、そうです。弟のカール細川子爵殿です。兄弟揃って爵位が同じで面倒臭いですな。そろそろポール殿の爵位を上げてはどうですかな」バートの言葉に棘はない。「そうね、・・・。今回の騒ぎで深手を負わせてしまったわ。お詫びも上乗せね。ところで、貴方はカ...昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)22