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本読みな暮らし https://honyominakurashi.com/blog/

日々読んだ本の感想を書いた、おとなの読書感想文/乱読生活の記録です。

地方都市で、コンピュータ関連の仕事をしていて、ITを利用した地域づくりなどに無い知恵を絞っています。 いつごろからか図書館でたくさん借りてたくさん読むようになりました。今は年に100冊ぐらいです。感想などを載せようと思い立ってブログを始めました。本を通じてたくさんの方と交流が生まれることを期待しています。 好きな作家:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ,塩野七生,村上春樹,上橋菜穂子,伊坂幸太郎ほか。

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2008/01/05

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  • 街とその不確かな壁

    数多くの村上春樹作品を読んだけれど、最初期を除くと一番に読みやすいと思った本。 村上春樹さんの最新刊。「騎士団長殺し」以来6年ぶりの長編。 主人公は「ぼく」と「私」。「ぼく」は、17歳の高校生で「高校生エッセイ・コンクール」の表彰式で出会った16歳の少女と交際している。会えば人目につかないところで、唇をそっと重ねる。

  • 目の見えない白鳥さんとアートを見にいく

    「この言葉、覚えておきたいな」と思って、たくさん付箋をつけた本。 2022年の本屋大賞「ノンフィクション本大賞」受賞作 本書は、著者が白鳥健二さんという全盲の方と、国内の様々な美術館を訪ねてアートを見る(鑑賞する)様子を描いたもの。 最初は三菱一号館美術館の「フィリップスコレクション展」。ゴッホにピカソにセザンヌ..

  • 空をこえて七星のかなた

    読み終わって「やっぱりそう来なくちゃ」に加えて「そう来たか!」と思った本。 帯に「<日常の謎>の名手が贈る、驚きと爽快な余韻に満ちた全七話」とある。後半の「驚きと爽快な余韻」は感じ方次第だけれど、前半の「日常の謎の名手」は妥当な表現だと思う。本書に収録された7編の短編も、ちょっとした謎を含んだちょっといい話だ。

  • おいしいごはんが食べられますように

    想定外の生臭さがあって「なにこれ?」と思ったけれど、これはこれでアリか、と思った本。 2022年上半期の芥川賞受賞作。 舞台は、ラベルパッケージの製作会社の営業部。主な登場人物は3人。東北の支店から異動してきた二谷。多少ムリな仕事でも頑張ればできてしまう押尾さん。ムリをしたり想定外のことがあると休んでしまう芦川さん。

  • 心配事の9割は起こらない

    タイトルを見て、まぁ心配事をわざわざ作り出してることあるよな、と思った本。 著者は禅僧で、立場上たくさんの人から不安や悩みの相談を受ける。そのほとんどが実は「妄想」「思い込み」「勘違い」「取り越し苦労」にすぎない、という。客観的に見れば「なんでもないこと」に振り回されてしまっていることが多い。タイトルはそういう意味。

  • https://honyominakurashi.com/blog/2022/09/2973/

    横長の変わった装丁に「なんだこれ?」と思ったけど、じわじわと後から愛着さえ湧いてきた本。 万城目学さんのエッセイ集。日本経済新聞に連載したものを中心に42編のエッセイを収録。 タイトルから引き継いで、「ついでのおもい」「京都へのおもい」「色へのおもい」「あけくれへのおもい」「大阪へのおもい」と「おもい」を5つに分類

  • 夜に星を放つ

    夜空の星を見上げるときの気持ちが伝わってくる本 2022年上半期の直木賞受賞作。星の話が登場する5編の短編を収録した短編集。 「真夜中のアボカド」は、32歳の女性が主人公。コロナ禍のリモートワーク中に、アボカドの水耕栽培と婚活アプリで恋人探しを始めた。アプリで知り合った男性と会うようになって..。

  • ブログを始めて20年になりました!

    本日2022年9月4日は、このブログを始めてちょうど20年の記念日です。 ここまで続けてこられたのは、読んでくださる皆さんがいたからこそです。この場を借りて御礼申し上げます。 投稿数は1,689、紹介した本の数は1,585です。本の評価別では☆5つが44、☆4つが747、☆3つが726、☆1~2は67。

  • 図書館の神様

    瀬尾まいこさんって、初期からこんないい物語を書いていたんだ、と思った本。 主人公は早川清(キヨ)、女性。鄙びた高校の国語教師として赴任、部員が一人しかしない文芸部の顧問になった。小学校低学年の時から高校生まで、自分の時間を全てバレーボールに費やして成績も残していたが、ある事件によって辞めることになった過去がある。

  • 疲れリセット即効マニュアル

    なんだか疲れやすい。そんな人が読んだらいいと思う本。 著者は大阪市立大学の「疲労医学講座」という、「疲労医学研究」を専門に行う研究室の代表。その著者が「疲労のメカニズム」と、「昼間・仕事中」「夜・家に帰ってから」「休日・プライベート」「考え方」の4つの場面とテーマに分けた「その場で簡単にできる疲労リセット法」を伝える。

  • 戦争は女の顔をしていない

    リアル版の「同志少女よ、敵を撃て」。簡単には読めないけれど、簡単には断念もできない本。 ベラルーシのジャーナリストである著者が、第二次世界大戦で独ソ戦に従軍したソ連の女性兵士たち500人以上を取材し、その肉声をまとめたもの。本屋大賞の「同志少女よ、敵を撃て」の著者の逢坂冬馬さんが「執筆を決意させた本」とおっしゃっている

  • 香君(上)西から来た少女 (下)遥かな道

    この物語が示唆する危うさは、私たちの危うさそのものだと思った本。 主人公はアイシャ。物語の始まりでは15歳の少女だった。彼女には特別な能力がある。他の人には感じられない香りを感じることができる。例えば、無味無臭(と他の人は思っている)の毒薬の匂い。さらには、植物が虫に食われて発する匂いも、悲鳴のようにはっきりと感じる。

  • 編集をひもとく

    本を「情報」だと思っている人には分からないだろうな、と思った本。 本書は書物の「編集のされ方」を観察するための手引書。「編集」というのは、(1)ある一定の方針のもとに(2)材料となる様々な情報を集め(3)取捨選択や組み合わせを行って(4)まとまりのあるかたちにつくり上げること。「観察」は、編集方針やコンセプト、編集方法

  • 幸村を討て

    真田家の深謀遠慮に恐れ入った本。 「塞王の盾」で直木賞受賞後の著者の第一作。 冬・夏2回の大坂の陣を、真田家と他の武将たちを主人公とした群像劇に仕立てた作品。描かれるのは、真田幸村、真田信之、徳川家康、伊達政宗、後藤又兵衛、毛利勝永、織田有楽斎...きら星のごとき面々。帯に「戦国万華鏡」とあるけれど的を射た例えだと思う

  • 定年オヤジ改造計画

    「自分はこんなではない」と思いながら「絶対にない」とは言えない本。 主人公は庄司常雄。大手石油会社の部長として定年を迎え退職、今は何をするでもなく家にいる。家族は妻の十志子と娘の百合絵、息子の和弘。百合絵は33歳で独身、和弘は30歳で妻の麻衣、3歳の娘の葵、1歳の息子の漣の4人家族で近くのマンションで暮らしている。

  • ゼロエフ

    楽しいことは書いてないけれど、大事なことなら書いてある本。 著者は作家で福島県郡山市出身。本書は著者が、主に福島県内を長距離、徒歩で歩いたルポルタージュ。徒歩行は2回。1つ目は、2020年の7月から8月にかけての19日間280キロ。2つ目は11月の末の4日間80キロ。きっかけは東京オリンピックが「復興五輪」を謳ったこと

  • 六人の嘘つきな大学生

    あの新卒の就活をもう二度とやらなくていい、ということがありがたく思えた本。 本屋大賞第5位。様々なミステリーランキングでも4位とか6位とか8位とかを受賞。 主人公は波多野祥吾。物語は祥吾が自身の8年前の就職活動を振り返る形で進められる。創業まもなく急成長したIT企業「スピラリンクス」の最終選考に、祥吾たち6人が残った。

  • その扉をたたく音

    老人ホームのお年寄りたちが素敵だ、と思った本。 主人公は宮路、29歳、男性、夢はミュージシャン、無職。高校一年でギターを始めて4人でバンドを作った。そのバンドも大学を卒業する時には宮路一人になってしまった。音楽で食べていくという思い切りも情熱もない。タイミングや運がめぐってくれば..という甘い考えで、大学を卒後して7年

  • はじめての

    直木賞作家4人の競演、音楽付き。なんと「贅沢」な、そして「新しい」と思った本。 小説を音楽にするユニット「YOASOBI」と、4人の直木賞作家(島本理生さん、辻村深月さん、宮部みゆきさん、森絵都さん)のコラボレーションによって生まれた短編小説集。「はじめて○○したときに読む物語」という共通テーマを持った書下ろし作品。

  • ザ・マジック

    読んでいる最中は「ちょっとこれはどうなの?」と思ったけれど、読み終わって「まぁこういうのもアリか」と思った本。 以前から時々目にしたことがあった本で、先日、友達が読んでいるのを知って読んでみた。 最初に言っておくと、著者には「ザ・シークレット」「ザ・パワー」という前著があって、本書はそれに続くものであるらしい。

  • メイド・イン京都

    帯にある「「ものをつくる」という生き方」に、深い共感と羨望を感じた本。 主人公は十川美咲、32歳。美術大学を卒業した後、家具の輸入販売の会社で働いていた。先輩の紹介で知り合った、都銀に勤める古池和範と結婚することになり、京都にある和範の実家を初めて訪ねる。その実家は、お屋敷が並ぶ住宅街の中でもひときわ大きな大邸宅だった

  • 同志少女よ、敵を撃て

    ロシアのウクライナ侵攻が起きている今この時に、この物語を読む因果を考えた本。 本屋大賞受賞作。 主人公の名はセラフィマ。物語の始まりではモスクワ近郊の人口40人のイワノフスカヤ村に住む、猟師の16歳の娘だった。時代は1940年。翌年にはドイツがソ連に侵攻して独ソ戦が始まり、セラフィマの村でも砲声を遠くに聞くようになる。

  • 映画を早送りで観る人たち

    読んで「映画を早送りで観る」ことへの違和感がすごく小さくなった本。 映画を早送りで観る人が少なからずいるらしい。多いのは20代だけれど、30代以上の世代にもいる。調査によると動画コンテンツを「よく倍速で視聴している」「時々倍速で視聴している」を合わせると、20代で男性は36.4%女性は28.2%、全世代男女では23%。

  • コロナ黙示録

    面白かったけど「こんな本を出版して大丈夫なの?」と思った本。 「チーム・バチスタの栄光」から始まる「田口・白鳥シリーズ」 舞台は桜宮市と北海道と東京。2019年11月から2020年5月29日まで。中国の武漢で新型コロナウイルス感染症の感染者が確認されたのが2019年の年末。物語の大きなテーマは「新型コロナウイルス」。

  • 他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ

    ちょっと読みづらい面もあったけれど押して読んでよかった本。 ベストセラーになった著者のエッセイ「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー」に、こんなエピソードが載っている。息子さん中学の授業で「エンパシーとは何か」という問題が出た。息子さんは「自分で誰かの靴を履いてみること」と答えたらしい。これが今回のタイトルになった

  • 安いニッポン「価格」が示す停滞

    「価格を下げる」ことを「経営努力」と呼び始めたあたりから、世の中がおかしくなってしまったと思った本。 日本の様々なものの価格が他国と比べて安い、ということを調査や統計データによって論じる。4章建て。「ディズニーもダイソーも世界最安値水準」、「年収1400万円は「低所得?」」。「「買われる」日本」、「安いニッポンの未来」。

  • スモールワールズ

  • 星を掬う

    根底に母娘や家族に対する深い理解があるのは感じとれる。それにしても..と思った本。 主人公は芳野千鶴、29歳。パン工場で夜勤の仕事をしている。千鶴は大きな問題を抱えている。分かれた元夫の弥一が、金がなくなると千鶴の家に来て、ありったけの金を持って行ってしまう。「困るから止めて」と縋ると手加減のない平手打ちを受ける。

  • 硝子の塔の殺人

    ミステリーというジャンルへの著者の愛が感じられる本。 山奥の館で起きる連続殺人事件。主人公は一条遊馬。館の主人である神津島太郎の専属の医師。神津島が「重大発表がある」と言って、遊馬の他にミステリー作家や編集者、自称霊能力者らを館に招待したその夜に、神津島が殺された..。部屋の扉にはカギが掛かっていて他に出入口はない..

  • 黒牢城

    戦国武将を描くのに、こういうやり方もあるのか、と思った本 2021年下半期の直木賞、多くのミステリーランキングで第1位 時代は戦国時代、主人公は摂津国の有岡城の城主、荒木村重。村重は織田方で信長の信を得ていた武将であったが、敵対する大坂本願寺に与して謀反を起こす。やがて幾万の織田勢に取り囲まれるであろう有岡城に籠った

  • 正欲

    この物語が意味することを、私たちは受け止めきれないと思った本。 平成から令和に変わった2019年5月1日を挟んだ600日ほどの物語。主人公が複数いる群像劇。不登校の息子がいる検事の男性、イオンモールの寝具店で働く女性、学祭の実行委員会の女子大学生、大手食品会社の新商品開発担当の男性、ダンスサークルに所属する男子大学生。

  • 青と赤とエスキース

    「このままじゃないよね?」と思って読んでいたら、やっぱりこのままじゃなかった本。 全4章の連作短編。章ごとに主人公が変わる。第1章は交換留学でオーストラリアに来ている21歳の女子大生、第2章は美大を卒業した30歳の額縁職人、第3章は弟子がマンガ大賞を取った漫画家の48歳の男性、第4章は輸入雑貨店に勤める51歳の女性。

  • 暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ

    戦争計画にあった「ナントカナル」という言葉が虚しく聞こえた本。2021年第48回大佛次郎賞受賞。 本書は太平洋戦争の戦時下に、広島市の宇品地区にあった「陸軍船舶司令部」に焦点を当てたノンフィクション。「陸軍船舶司令部」というのは、戦時下には参謀本部の直轄となり、戦場への兵隊や軍需品の輸送や上陸を支援する組織。

  • スタッキング可能

    「なんだこれ?」から「へぇ~面白いじゃん」となった本。 スマホの「読みたい本」リストに、書名ではなくて著者の名前が書いてあった。何をきっかけにこれを書いたのが思い出せない。とりあえずデビュー作を読んでみた。 全部で6編を収録。表題作「スタッキング可能」と「もうすぐ結婚する女」は中編。そのほかは10~20ページほどの掌編

  • 童子の輪舞曲 僕僕先生

    直球の慣れ親しんだ世界観に浸っていたら、最後に変化球を投げられて面食らった本。 「僕僕先生」シリーズの第7弾。シリーズで初めての外伝で6編を収めた短編集。 「避雨雙六」は、師弟の雨宿り中の双六遊び。思い浮かべた願いに合わせてあがりまでのマス目が変わる。僕僕先生のマス目は50ぐらいなのに、主人公王弁のはすさまじい数だった

  • デュラス×ミッテラン対談集 パリ6区デュパン街の郵便局

    人格は経験によって造られるのだなぁと思った本。 友達がこの本を紹介したのを読んで、興味が湧いたので読んでみた。 フランソワ・ミッテランとマルグリッド・デュラスの対談集。ミッテランは元フランス大統領。デュラスはフランスの作家。「愛人/ラマン」という1984年発表の世界的大ベストセラーを知っている人がいるかもしれない。

  • 追憶の烏

    シリーズの馴染みの登場人物が退場して、新しいキャラクターが登場、先が楽しみになった本。 累計170万部の「八咫烏」シリーズの第二部の2巻目。1巻目の「楽園の烏」と第一部の終わりの間の20年間の空白を埋める物語だった。 主人公は雪哉。皇帝の側近の武官。20年後を描いた前巻で彼はこの八咫烏の世界を取り仕切っている。

  • ペッパーズゴースト

    「やっぱり好きだ。こういう伊坂作品を読みたかった」という本。 伊坂幸太郎さんの書き下ろし最新刊。主人公は中学校の男性国語教師の檀千郷。生徒の一人から「自作の小説を読んでほしい」とノートを渡された。ロシアンブルとアメショーという名の二人組の話。二人はネットに公開された猫の虐待動画の支援者を探し出して制裁を加える。

  • ブックフェスタ 本の磁力で地域を変える

    「本」と「まちづくり」に興味がある人にはとてもためになる本。 本書は「まちライブラリーブックフェスタ・ジャパン2020」を再構成してまとめたもの。図書館や書店といった本のある場所が互いに訪れる機会を増やそうと2015年に始まった。 「まちライブラリー」は、お店や個人が用意した場所に、他の人が本を持ち寄って作る本棚。

  • 記憶のデザイン

    「すぐ検索して調べる習慣」に対する、漠とした違和感に少し形を与えてくれた本。 インターネットが普及する以前は、新聞やテレビ・ラジオから一日に一度か二度ぐらい流されるものだったニュースが、今はそうしようと思えば常に最新情報を得ることができる。SNSによって、以前は目にすることのなかった他人のつぶやきを見ることもできる。

  • N

    「自分で選ぶ」ということが、こんなにも楽しみを添えるのかと思った本。 最初に言っておかなければならないのは、本書が他の本にはない特徴をもった小説であること。章が6章あるのだけれど、どの章からでもどの順番で読んでもいい。本書の最初に書かれた各章の冒頭部分を読んで自分で読む順番を決める。6の階乗で720通りの読み方がある。

  • 書店ガール7 旅立ち

  • 噛みあわない会話と、ある過去について

    いやぁ「これはキツいよなぁ」と思った本。 楽しい事やうれしい事を、当事者がみんな同じように感じているとは限らない。ましてや過去の出来事の記憶は...。という「思い出のズレ」の露見(それも相当にショッキングな)を描いた4つ短編を収めた短編集。 「ナベちゃんのヨメ」「パッとしない子」「ママ・はは」「早穂とゆかり」

  • Happy Box

    「幸せ」を描くのには、必ずしも「幸せ」な物語でなくてもいいのだな、と思った本。 本書は、伊坂幸太郎、山本幸久、中山智幸、真梨幸子、小路幸也の5人がそれぞれ「幸せ」をテーマに書いた短編を収めた短編集。「解説」によると、「名前に「幸」の一文字を持つ作家を集めて、幸せのアンソロジーをつくろう」という企画らしい。

  • ビタートラップ

    命が懸かっているのにどこか軽やかな「よかったね。いやよかったのかな?」と思った本。 主人公は並木承平、33歳、バツイチ、農林水産省の係長補佐。物語は冒頭から助走なしで始まる。恋人による唐突な告白「わたしは中国のハニートラップなんです」「祖国の命令であなたに接近しました」。恋人は行きつけの中華料理屋に新しく入ったバイト。

  • 海をあげる

    気が付いていて見て見ぬふりをしていることを突き付けられた本。 2021年の本屋大賞の「ノンフィクション本大賞」受賞作品。 著者は教育学・社会学の研究者。沖縄県生まれで、今は普天間基地の近くに住む。東京と沖縄で未成年の少女たちの支援・調査に携わり、現在は若年出産をした女性の調査をしている。12編を収録したエッセイ集。

  • ソーシャルメディアと経済戦争

    これは「私の考えとは全く合わないな」と感じたけど「たまにはそんな本を読もう」と思って読んだ本。 ビジネスで米中を往来してきた著者が、新型コロナウイルス、SDGs、地球温暖化、DXと5G、米中の衝突といった、グローバルなトレンドを読み解く。これらのトレンドはすべて「ビジネスプロパガンダ」だというのが著者の主張のベース。

  • 超リテラシー大全

    ネットでなんでも調べられるけれど「信用できる情報」を見分けるのは難しいから、こういうのがあってもいいかなと思った本。 「その道のプロ」が正しいと考える情報をだけを厳選して一冊にまとめたもの。「お金」「仕事」「IT」「住まい」「法律」「セキュリティ」「医療」「介護」「防災」の9つの分野を網羅する88項目が収められている。

  • みとりねこ

    これだけの粒ぞろいの短編を「猫しばり」で書けるなんて、すごい「猫愛」だなぁ、と思った本。 猫が登場する短編7編を収録した短編集。そのうちの2編は「旅猫リポート」の外伝、1編は「アンマーとぼくら」の前日譚。 外伝の2編は「ハチジカン」と「こぼれたび」。どちらも切ないストーリーだった。とりわけ「こぼれたび」には涙した。

  • 公務員のための情報発信戦略

    やっぱり実際にやってきた人の言うことには価値があるなぁと思った本。 著者はリクルート出身で、映画製作やITベンチャー、そして政治の世界でもと、様々な場所で実績を残してきた人。福山市の情報発信戦略の委託先として著者の会社が選定された。本書は福山市の取り組み内容と成果を整理し、地方自治体の情報発信戦略の手法をまとめたもの。

  • 臨床の砦

    第3波でこれであったなら、4波、5波、そして予想される6波はどうなるのかと、背筋が凍える思いがした本。 ベストセラー「神様のカルテ」の著者による「緊急出版」。今年1月の新型コロナウイルス第3波の下の医療現場を描く。 主人公は敷島寛治。18年目の内科医。専門は消化器。長野県の小さな総合病院「信濃山病院」の医師。

  • 100万回生きた

    人生を何度もやり直すのも大変だ、と思った本。 著者は「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」で、設定がトリッキーなのに、しっかり切ない恋愛小説を紡いだ人。 主人公は、安土美桜という17歳の高校生。転生を繰り返して100万回生きている。いろんな時代のいろんな国で生きてきた。今は「日本の17歳の高校生の安土美桜」ということ。

  • リボルバー

    その景色をこの目で見るためにフランスに行きたい、と思った本。 原田マハさんのアートミステリー最新作。ファン・ゴッホの死にまつわる謎に迫る。 ファン・ゴッホの死については、麦畑付近で拳銃で自殺を図った、とするのが定説。しかし目撃者はおらず確証もないので真実は分からない。その真実を求めて日本人のオークショニアが調査を進める

  • クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界

    ひどいタイトルだと思うけれど、こんなタイトルでなければ読むこともなかったと思う本。 2015年のギリシャの経済危機の際に財務大臣を務めた経済学者による異色の小説。 主な登場人物は語りの「私」の他に4人。コスタは天才エンジニア、アイリスは筋金入りのマルクス主義者、イヴァは元金融エンジニア、トーマスはイヴァのひとり息子だ。

  • クスノキの番人

    「誰かに想いを伝えたい」「誰かの想いを知りたい」ということの切実さと難しさを感じた本。 主人公の名は直井玲斗。20代半ばの青年。盗みに入って捕まり、刑務所行きを観念していたところ、弁護士が接見に現れて「自由の身になりたいのなら」と提示した「依頼人の命令に従う」という条件をのんだところ、本当に釈放された。

  • デジタル・ファシズム

    急速に進む社会のデジタル化に対して、特に日本の状況について警鐘を鳴らす本。 本書は「政府が狙われる」「マネーが狙われる」「教育が狙われる」の3部構成。それぞれのテーマで強大な権力の集中と利権に切り込むとともに、市民生活を脅かす危険性を指摘する。どれも私の知らなかった、すくなくとも意識したことがなかったことだ。

  • ザリガニの鳴くところ

    成長物語とミステリーと法廷劇が楽しめる本。 今年の本屋大賞翻訳小説部門の第1位。出版社の情報によると全世界で1000万部突破とのこと。世界中でとにかくすごく売れているベストセラー。 主人公はカイヤ。物語の始まりの時は6歳の少女だった。5人兄弟の末っ子で両親も一緒にノース・カロライナ州の海辺の湿地にある小屋に住んでいる。

  • クララとお日さま

    「トイストーリー」を思い出した本。ノーベル文学賞受賞第一作。 主人公はAIを搭載したロボットのクララ。ジョジーという少女の家に購入されてその屋敷で暮らし始める。 様々なことが徐々に明らかになる。クララが太陽光をエネルギー源にしているらしいこと。ジョジーの健康状態がよくないこと。ジョジーのお姉さんが亡くなっていること。

  • 多数決は民主主義のルールか?

    最近「多数決なんて欠陥だらけじゃないか」と思っていたので、私の手元に来たのかな?と思う本。 「はじめに」の冒頭が本書のことを端的に言い表しているので引用。 「多数決は民主主義のルール」とされています。多数決なら、どんなことを、どのように決めてもよいのでしょうか。(中略)それを改めて考えてみようというのが、この本です。

  • 我が産声を聞きに

    静かな、しかし決して元には戻らない家族の変化を描いた本。コロナ禍を設定に採り入れたのも特徴的。 主人公は徳山名香子、47歳。英語学校の非常勤講師。10代の終わりに気胸を患って、何度か軽い再発を繰り返している。夫の良治は大手電機メーカーの研究職。名香子の肺を気遣って、外出も控えてレストランでの食事などは厳に慎んできた。

  • 池上彰の君と考える戦争のない未来

    本のタイトルに著者名を冠してしまうのはどうかと思うけど、内容はよかった本。 池上彰さんが「戦争をなくすにはどうしたらいいだろうか?」と問いかける。まずは過去に日本で世界で起きた数々の戦争について、コンパクトに要点を解説する。その戦争はどんな理由で始まったのか?どうやって終わったのか?その影響にはどんなものがあったのか?

  • テスカトリポカ

    これが大衆文学の賞を受賞したわけで、だとすると「大衆」ってこういうのが好きな人が多いの?と思った本。 臓器売買の犯罪グループを描いたノワール小説。物語の舞台はメキシコから始まって川崎→メキシコ→ジャカルタ→川崎と移り変わっていく。多くの人物のエピソードを積み重ねてそれらが交錯して、一つの凶悪な犯罪の物語を構成していく。

  • 白鳥とコウモリ

    東野版「罪と罰」と銘打ってある意味が読み終わってよく分かった本。 竹芝桟橋近くの路上で違法駐車されていた車から、ナイフで腹を刺された男性の遺体が発見された。運転免許証から55歳の弁護士、白石健介さんと判明した。警察の捜査線上に倉木達郎と言う名の容疑者が浮かんだ。その倉木が刑事に対して「すべて私がやりました」と自白した。

  • 星落ちて、なお

    「普通」を求めても得られない、主人公の生き方が哀しくも頼もしかった本。 明治、大正、昭和の時代を生きた女絵師の一代記。主人公の名前はとよ。天才絵師の河鍋暁斎の娘。その暁斎が59歳で亡くなった葬儀の後から、物語は始まる。父の暁斎は「画鬼」とあだ名された。生家が火事だと聞けば駆けていって、火消しではなくて写生をする。

  • エレジーは流れない

    アホ男子高校生の暮らしは楽しい。でも彼らも一生懸命生きているのだ、と思った本。 主人公は穂積怜。餅湯温泉駅前商店街の土産物屋で、母の寿絵と暮らす。餅湯温泉は、関東近県から客がやってくる一大リゾート地。とはいえ、団体旅行も減って久しい昨今、ホテルや旅館は経営が厳しく、それは土産物屋も同様で、この町は半分寝たような状態だ。

  • 「科学的」は武器になる

    「科学者」と「社会」の関係について、新たな気付きがあった本。 著者は1952年生まれ。東京大学大学院理学系研究科修了、2001年から1年間CERNで「反物質」の研究を率いている。つまりは世界的に認められた科学者だということ。 福島第一原子力発電所の事故の際には、内部被ばくの測定に関してなくてはならない役割を担っている。

  • イエロー・サブマリン

    幻の作家の話で家族が盛り上がるのが、微笑ましく羨ましく感じた本。 「東京バンドワゴン」シリーズの第15弾。東京の下町にある古本屋&カフェの「東京バンドワゴン」を営む、大家族の堀田家の1年を描く。前作「アンド・アイ・ラブ・ハー」の続き。 シリーズ通してその傾向はあるのだけれど、意外な人の縁がつながっていく。

  • News Diet(ニュース ダイエット)

    とても意外な指摘だったけれど、少し前から思っていたことと重なることもあった本。 著者の主張または提案は次のとおり。「生活からニュースを絶とう」新聞を購読しない、テレビのニュースも見ない、ネットニュースに浸らない。そうすれば人生の質が向上し、思考は明晰になり、貴重な洞察が得られ、決断の質が上がり、時間の余裕ができる。

  • 書店ガール5 ラノベとブンガク

    新天地で頑張る姿に思わず応援したくなった本。 「書店ガール」の第5巻。このシリーズの最初の3巻は、西岡理子と小幡亜紀の二人の書店員が主人公で、前作「書店ガール4 パンと就活」で、彼女たちの後輩の高梨愛菜と別の書店の宮崎彩加の2人にスイッチされた。本書では宮崎彩加を残して、もう一人は小幡伸光が主人公になった。

  • 人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。

    読書の形にはいろいろなものがあるのかもしれないなぁ、と思った本。 本書は、本をたくさん読むことで得られる良いことを数多く紹介した「読書のススメ」。良いこととは、例えば「時間に余裕ができる」「給料が増える」「成功率が桁外れに高まる」。逆に本を読まないとどうなるかというと「外見が劣化する」「足を引っ張り合って貧しくなる」。

  • プリンス

    この40年ぐらいの間に起きた、アジアの国のいくつかの事件を思い出した本。 物語はメコン共和国という東南アジアの国の大統領選を巡る陰謀を描く。現政権は10年前にクーデーターによって軍部が樹立した。以来、国会議員の選挙もまともには行われていない。今回の選挙は、民主化への移行を国際社会から要求されて実施されることになった。

  • ヒトコブラクダ層ぜっと(上)(下)

    著者がインタビューで「インディ・ジョーンズみたいな話」とおっしゃっているけれど、まさしくそういう本。 主人公は梵天、梵地、梵人の榎土三兄弟。三人は三つ子で26歳。三人には特殊な能力がある。梵天は壁などの向こうに意識を飛ばしてそこにあるものが見える。梵地はどんな言語でも相手が話していることが分かる。梵人には未来が見える。

  • 烏百花 白百合の章

    「あの人の過去にはこんなことが!」という驚きを感じた本。八咫烏シリーズの外伝。3年前の「烏百花 蛍の章」に続く短編集。30~40ページほどの短編8編を収録。 「かれのおとない」は、北領の村の娘みよしが主人公。武人の養成所である勁草院にいる兄とその友人の雪哉との交流。「ふゆのことら」は、北領の郷長家の三男の市柳が主人公。

  • グッバイ・イエロー・ブリック・ロード

    藍子さんの「怖くはなかったわ」というセリフにシビれた本。 「東京バンドワゴン」シリーズの第16弾。いつもは東京は下町の古本屋&カフェの「東京バンドワゴン」が舞台で、そこを営む堀田家の面々の活躍を描いているけれど、今回は舞台をイギリスに移した番外長編。ロンドン警視庁の事務官ジュン・ヤマノウエが活躍する。

  • 仕事を楽しむ整える力 人生を自由に面白くする37の方程式

    図らずも自分の来し方と行く末を思うことになった本。 著者はリクルートに入社、人材開発部→キャンパスマガジンの編集長→福岡ドームに出向→メディアファクトリーで映画製作→ヘッドハンティングでITベンチャーの社長→神戸市長選出馬(2度落選)→地域政党を結成・兵庫県議会議員を1期、現在は大学のMBAの客員教授を務めておられる。

  • ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論

    自動化が進んだのにますます忙しくなるのはどうしてか?その理由を「やっぱりそうか」と思った本。 ブルシット・ジョブとは「被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用の形態。その雇用条件の一環として、本人は、そうではないと取り繕わなければならないように感じている」

  • レビュー記事が1500本になりました。

    このブログのレビュー記事が1500本になりました。 評価は☆5が42、☆4が696、☆3が698、☆2が60、☆1が4でした。 カテゴリー別は、小説が477、ミステリーが276、ファンタジーが242、経済・実用が133、ノンフィクションが130、オピニオンが115、エッセイが59、雑誌が11、その他が144です。

  • JR上野駅公園口

    奥の深い名作なのだとは思うけれど、今の自分には合わないかな?と思った本。 2020年の全米図書賞翻訳文学部門の受賞作品。全米図書賞のことはよく知らなかったけれど、それで興味を持ったので読んでみた。 主人公は上野公園でホームレスとして暮らしていた男性。ホームレスとしての生活を過去形で語っているから、今は違うのだろう。

  • マナーはいらない 小説の書きかた講座

    創作の現場が良く分かってよかったけれど、こんなに種明かしをしてしまっていいの?と思った本。 コバルト文庫の「WebマガジンCobalt」に、三浦しをんさんがしていた連載を一冊にまとめたもの。著者は「コバルト短編新人賞」の選考委員を務めていて「ここをもうちょっと気をつけると、もっとよくなる気がする」とか思っていたらしい。

  • 21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由

    紙に書いて貼っておきたいことがたくさん載っていた本。こういうの好きです。 本書は、ビジネスにおける「デザイン思考」の重要性を説いて、その実践方法を著者自身の経験から指南する。 「デザイン思考」が何を指すのか?は、明確な定義は本書の中にはない、簡潔な定義を示す代わりに、本書の全部を使ってそれを語っている、とも言える。

  • 沈黙の春

    半世紀前の本が、現在の世界にも強く警鐘を鳴らしていることに瞠目した本。 本書は、生物学者でもある著者が、主に害虫を駆除する目的で使用される殺虫剤や農薬の、自然や人に与える深刻な被害を、豊富な実証的データとともに明らかにしたもの。原著「Silent Spring」は1962年に米国で出版され、日本語訳の出版はその2年後。

  • すえずえ

    そうか、一太郎のお嫁さんはあの子なのか、という本。「しゃばけ」シリーズの第13作。「栄吉の来年」「寛朝の明日」「おたえの、とこしえ」「仁吉と佐助の千年」「妖達の来月」の5編を収録した連作短編集。江戸の大店の跡取り息子で極端に病弱な一太郎が主人公。一太郎の周りには数多くの人ならぬ者、妖たちが居ついている。

  • 悩むなら、旅に出よ。 旅だから出逢えた言葉2

    ちょっと思ったのとは違ったけれど、まぁこれはこれでいいかと思った本。 作家の伊集院静さんが、ダイナースクラブの会員誌に連載したエッセイ。帯に「世界の旅先でふっと心に響いた「ひと言」」とあって、その言葉に魅かれて読んでみた。全部で35編。旅の行先は欧米を中心にした海外と、国内は北海道、宮城...、池袋とかの都内もある。

  • 三つ編み

    「最近読んだ本で何かおススメは?」と聞かれたら、これをおススメしようと思った本。 主人公は世界の3大陸にそれぞれ暮らす3人の女性。インドのスミタには6歳の娘がいる。シチリアのジュリアは20歳。モントリオールのサラは40歳。3人は住む大陸だけではなく年代も境遇も違うが、3人の物語がどこかで縒り合さることを予感させる。

  • 書店ガール4 パンと就活

    シリーズの主人公が変わって「おっ!」と思った本。 「書店ガール」の第4巻。これまでの3巻の主人公は西岡理子と小幡亜紀という、吉祥寺の新興堂書店の書店員2人だったけれど、本書では高梨愛菜と宮崎彩加の2人にスイッチされた。愛菜は新興堂書店の学生アルバイト、彩加は駅ビルにある別の書店の契約社員。勤め先は違うけれど二人は友人。

  • オルタネート

    著 者:加藤シゲアキ 出版社:新潮社 出版日:2020年11月20日 発行 20… あまり期待はしていなかったのだけれど、けっこう楽しめた本。第42回吉川英治文学新人賞受賞、本屋大賞ノミネート作品。 主人公は高校生が3人。新見蓉、東京の円明学園高校3年生、調理部の部長。伴凪津、円明学園高校1年生、SNS「オルタネート」を信奉している。楤丘尚志、大阪の高校を中退、円明学園高校にかつての同級生がいる。

  • 神々と戦士たち5 最期の戦い

    5巻にわたる物語を読み終えて「あぁ面白かった」と感じた本。 「神々と戦士たち1 青銅の短剣」からはじまるシリーズの5巻目にして完結編。舞台は、前卷の古代エジプトから古代ギリシアのアカイアに、それも物語が始まった場所のリュコニアに戻ってくる。 主人公のヒュラスは、リュコニアの山のヤギ飼いで金髪の「よそ者」と呼ばれていた。

  • 始まりの木

    読み終わって心が洗われたように感じた本。 「神様のカルテ」シリーズで、医療の現場の様々な人間ドラマを描いた著者による新刊。 主人公は藤崎千佳。国立大学の民俗学研究室の大学院生。指導教官の古谷神寺郎と千佳の旅先での出来事を主に描く。弘前、京都、長野、土佐..さらに出かけた先で少し足を伸ばすことも多く、様々な土地を訪れる。

  • 推し、燃ゆ

    主人公のことを父親目線で見てしまってなんだか痛々しかった本。 2020年下半期の芥川賞受賞作。本屋大賞ノミネート作品。 主人公は山下あかり。高校生。あかりには「推し」がいる。男女混合のアイドルグループのメンバーの上野真幸。その「推し」がファンの女性を殴ったとかで、ネットやらワイドショーやらで炎上した。

  • 滅びの前のシャングリラ

    冒頭「クラスメイトを殺した」という文章で始まる、なかなかスリリングな本。 本屋大賞ノミネート作品。 「1ヶ月後に直径が推定10キロメートルの小惑星が地球に衝突する」という世界を描いた、一種のディストピア小説。主人公はバトンを渡すように章ごとに代っていく。最初の主人公は江那友樹、17歳。ぽっちゃり体型の高校生。

  • デジタル・ミニマリスト

    読んでさっそくTwitterを開くのを1週間に1回だけにした本。 「デジタル・ミニマリズム」は本書の中で定義がある。 「自分が重きを置いていることがらにプラスになるか否かを基準に厳選した一握りのツールの最適化を図り、オンラインで費やす時間をそれだけに集中して、ほかのものは惜しまず手放すようなテクノロジー利用の哲学」

  • 心淋し川

    「衣食足りて礼節を知る」という言葉があるけれど、衣食さえ足りれば幸せを感じるのは気の持ちようなんだな、と思った本。 2020年下半期の直木賞受賞作。本屋大賞ノミネート作品。 江戸時代、千駄木町の大名屋敷の崖下にある、流れのない淀んだ川の両岸の狭い町「心町」が物語の舞台。主人公はその町の住人たち6人が章ごとに入れ替わる。

  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

    旅行気分とドラマを一緒に味わえた本。 JR九州の豪華寝台列車「ななつ星」をテーマとした7つの文章。井上荒野、恩田陸、三浦しをん、糸井重里、小山薫堂、川上弘美、桜木紫乃、の人気作家7人の贅沢なアンソロジー。 井上荒野さんの「さよなら、波瑠」は、60歳を越えて結婚した男女の男性が女性を見守る話。女性がカッコよくて切ない。

  • お探し物は図書室まで

    「こんな図書室は居心地がいいだろうなぁ」と思った本。 本屋大賞ノミネート作品。 舞台は区民のための施設「羽鳥コミュニティハウス」。全部で5章あって、それぞれ主人公が違う。婦人服販売員の朋香は21歳、家具メーカーの経理部に勤める諒は35歳、元雑誌編集者の夏美は40歳、ニートの浩弥は30歳、会社を定年退職した正雄は65歳。

  • 犬がいた季節

    「そうそう、あの頃はそうだった」と思った本。 舞台は三重県四日市市にある八稜高校。物語の主人公はその学校の昭和63年度、平成3年度、6年度、9年度、平成11年度のそれぞれの年の卒業生。そしてもう一匹、その間に学校で飼われていた犬。名前はコーシロー。美術部の生徒、早瀬光司郎の席にちょこんと座っていたところを見つけられた。

  • あきない世傳 金と銀 早瀬篇

    期待通りに想像の上を行く展開、そんな本。 「あきない世傳 金と銀 源流篇」に続くシリーズ第2巻。前作では、大坂の呉服商「五鈴屋」に9歳で奉公に出た少女、幸の13歳までを描いた。本作では続きの4年ほど、幸の17歳までを描く。 五鈴屋は、奉公人たちの働きで堅い商売をしているけれど、主筋の人材にはあまり恵まれなかった。

  • 八月の銀の雪

    平凡な暮らしの中にもドラマがあることと、それへの親しみを感じた本。 短編が5編収録された短編集。 表題作「八月の銀の雪」の主人公は、就職活動中の大学生の男子。八月に入っても二次面接を突破したこともない。「海へ還る日」は、2歳の娘を育てるシングルマザーの女性が主人公。電車の中で知り合った女性に博物館の展覧会に誘われる。

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