今日の「田中利典師曰く」は、修行日記はお休みして、「鬼の物語」(文化時報2024.4.9付)という興味深いエッセイを紹介させていただく。なお「文化時報」(本社=京都市)は宗教専門紙で、週2回発行されている。これまで利典師は、「宇宙飛行士と山伏」、「天狗と山伏」など、修験者ならではの視点から宇宙飛行士や天狗を紹介されているが、今回は「鬼」。鬼は、金峯山寺の三大行事の1つ、「節分会・鬼の調伏式」でよく知られている。「福は内、鬼も内」は、同寺独自のものだ。冒頭に「鬼」という漢字は、死体を表わす象形文字とお書きで、これは全くその通りだ。白川静氏の『常用字解』には〈象形。鬼の形。人鬼をいう。人は死んで人鬼になると考えられた。大きな頭の形がこの世の人の姿とは異なることを示している。(中略)人鬼に対して、自然神を神とい...田中利典師の「鬼の物語」(文化時報2024.4.9付)